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美容室開業運営診断士、赤坂の美容室経営者プレイングマネージャでもある仲野 蓮が 偉そうに美容業界の事を語ります。 店舗運営メール相談も受付中:ren@tiamat.co.jp
Posted by 仲野 蓮 - 2016.05.16,Mon




先日の大型連休の際、親しい人からこんな話をされた。

 

「大型連休に有給を使いたいって言いづらいから、休む選択肢はなかったんだけど

GW合間の平日、部長は営業職達の内々でその2日、交代で有休使って休んでいーよって言ってるらしいの

 

有給を使うにしても、それってなんで内々でだけでやるの?って、

そもそも情報が下まで降りてこないのに、腹が立ち過ぎて血管が浮き出てる次第です。」

 

 

この人は怒ってるので、ちょっと分かりにくいのを要約すると

 

つまりその会社では大型連休とは言っても、カレンダー通りに営業があり

事務方の人間達には、合間の平日に有給を合わせて超大型連休にはしないように、というプレッシャーをかけ

自分達だけはそこの日に有給をあてて、連休を伸ばす作戦を練っていたらしいという事。

 

実にセコイ上司たちである。

腹が立つのも、当然である。

 

確かに大型連休の合間の平日に、有給休暇をあてるのはしにくい社風というのはよく聞く話だ。

ハッピーマンデーの3連休の後の火曜日に有給を取って、4連休にするのも憚れるってのも本当によく聞く。

 

にっぽん人ってその辺の謙虚さってのが、良い意味にも悪い意味にも働くことってあるよね。

 

 なので、ほとんどの人は

真面目に仕事をこなしつつ、力を抜くときは抜くし有給も好きなように使う。

 

そうしている人も多いと思う。

だけどそれが出来ない人もいる。

 

ちなみにの話に出てきた人は

他の事務職の派遣さんにもこの話をしたらしい

 

だけどその派遣さんは別に気にならないそうで

「あっそう。」みたいな反応だったそうだ。

 

おそらくほとんどの人はこの派遣さんみたいに、流しちゃうのが普通なのかもしれないね。

 

会社に対してそこまで期待していないというか、そっちがてきとーにやるな私も別に自分ペースでやるし、有給だって遠慮しないで使えばいいやーって。

 

自分も、そんな風に出来たらなぁって

悩んじゃう気持ちはとてもとても理解できる。

 

本来なら私に相談してきた人の言ってる事の方が正しいと思うし、そういう考えの人の方が会社に必要だろう。

 

ただ、現実としてそうじゃない人も多い。

それどころかなんとなく許されて、日々の職務に携わっている人だっている。

 

だけどそんなC調な輩にも、有給休暇や社会保険労働保険などの権利が当然ながらあるワケだ。

 

なので、今回の話に出てきた会社の件だって

問題の上司は事務方の職員には有給を取らせない様にして、自分達はコッソリ連休を取ろうとした行為は、あまりにもセコイし人間的に役職者的にどうだ!?ってのはあるとは思うけど

 

彼らにも当然の有給の権利があって、それを範囲内に行使しただけなんだから本来なら何の問題もない。

 

ただそこは人と人だから、ないがしろにされた方は腹も立つし

真面目にやってればやってるほど、配慮がほしいって気持ちが湧いてくるのは、当然の心理だろう。

 

 仕事に対して意識の高い人間は、自分の中でそれなりの高いレベルのベストを尽くして仕事をしている自負がある。

 

だからこそ、てきとーにやって良いとこどりしたがる輩が許せない。

 私にはその気持ちがよーく分かる。

 

大型店にいた頃、サボっている同期を見ると腹が立ったり

練習にまじめに取り組まないスタッフに、イライラしたりした。

それなのに、アシスタントという括りで自分も含まれてしまう事が心から嫌だった。

 

そのくせ賃金や休暇には、一流の注文をつけやがる。

 

年数だけ経って、一定の技術や集客できてない先輩からの指示なんか聞きたくなかった。

 

「会社の為だよ、お前の将来の為だよ」詭弁が詭弁でしかない上司の為に成績を上げる気になんてならなかった。

 

ただ、その自分とは違う感覚の社会人にだって、それなりの権利はあるわけで

最低賃金と社会保障、そして福利厚生を受ける権利は存在する。

 

腹だたしいけど、「それは認める。」でいいのかなって今は思える。

 

仕方ない事だしね。

それを取り上げることは雇われているイチ社員には出来ない。

 

本気でやるなら、会社のその体制を変えてしまうくらい頑張るか

派遣さんの様に、ある程度諦めて自分も自由にさせてもらうか。

 

もしくは今の私の様に自分の思うような会社を経営するか

突き詰めるとそうなっちゃう。




その2へ続く


***


↓【大きければ大きいなりに】その2へ続きます。


http://lenstly.blog.shinobi.jp/Entry/55/

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Posted by 仲野 蓮 - 2016.05.16,Mon

 ↑47:【大きければ大きいなりに】その1からの続き

 http://lenstly.blog.shinobi.jp/Entry/56/


***

 

私は結果として自分で事業を立ち上げたけど、

今度は自分ではなく社員達のそういった権利を認める立場になった。

 

自分が感じたような想いを、真面目なスタッフに思わせてはいけない。

の派遣さんの様に、諦めさせてはいけない。という責務に追われる。

 

 会社ってのはやはりSystematicなモノ。

 

就業規則にのっとり、決まった仕事を決まった時間こなし

持っている権利を行使して、自分の要求を会社に認めてもらう。

それを日々重ねる事で、報酬と福利厚生が約束される。

 

突き詰めて言っちゃえば、給料を少しでも払わずに沢山働いてほしい経営者と

少しでも多くの給料と休暇の欲しい社員。本来逆の要求のある立場

これをすり合わせて折り合いをつけて、会社と言う組織が成り立つ。

 

会社ってそんな場所だ。

 

それを理解して、

理解してもらった上で私はこう思う時がある。

 

 

例えば何か会社側に要求するときに、最低限の事しか言わない社員には最低限の事しか許可しない。

 

事務的な事しかしてくれない人には、こちらも事務的に返す。

当り前の要求を当たり前の様に言ってくる社員には

こちらも出来て当然でしょうと、当然の成果を求めさせてもらう。

 

そうなんだけどね、それで合ってるんだけどね。

でもさ、そういうのって嫌だなあって。

 

『本当はそうじゃない人たちと一緒に仕事したいなぁ。』って

 

分かってくれるかしら、この感覚。

 

 ほんの些細な気遣いが、相手との距離を縮める時がある。

 

休みを取る時に、「明日休みますから」って言い放つだけではなく、一言添えるだけで言われた方は全然気持ちが違う。

 

休みを取ろうとした社員に、「また休むの?」とか余計な一言を言う。

明けの社員に、「おかげでこっちは大変だったよ」とか嫌味を飛ばす。

 

それが続くと、「休みにどこ行くの?」って聞かれるだけでウンザリしちゃう。

 

そのやり方は人それぞれだけど、そこに気遣いが出来る人は、余計なもめ事が起きにくいと私は思う。

 

 

例えばお土産なんかでも、皆で食べてねって大皿のお菓子を買ってくれるのも気持ちなんだけど

「社長、辛口好きでしたよね!」と、個別に日本酒を買ってきてくれる社員がいたりする。

 

すると、自分もどこかに出かけたりしたときに、その社員の為だけにパーソナルなお土産を探して買ってきたくなる

 

これって普通の感情よね?

 

 

もちろんお土産って、お金もかかってくる事だから出来ない事だってあるし

私みたいな立場の人間に、何を買っていいか分からないってのもあるから。そこは分かってるつもり。(もちろん強制なんかしないよ)

 

 

 

会社という組織であっても、そこを構成しているのは人と人って事。

 

やっぱり人と人だからね、してくれる事には返してあげたい。

大きければ大きいなりに、小さければ小さいなりに。

 

私は人間が出来ていないので、特にそうなっちゃう。

 

 

そう、有給だってその自分が休む期間働く人間もいるワケで

「休めてとーぜん!」じゃなくって

気持ちの何パーセントかは感謝の気持ちを忘れちゃいけないし

 

その感謝の気持ちがお互いにあれば、今度は自分が会社に残る立場になったって

『あいよっ!行っておいでっ』って送り出せるってなもんだろう。

 

感謝の気持ちが小さいのがイケナイって言ってるわけではない。

大きければ大きいなりに、小さければ小さいなりの心遣いって意味。

 

 

対会社と社員と役員

余計な事はイラナイと言われてしまえばその通り

 

だけど

やっぱり人と人だからね、してくれる事には返してあげたい。

 

私は心か狭いけど、受けた恩は忘れない。(と思う)

大事にされれば、全力でその人に受けた大事を返します(たぶん)

 

 

大きければ大きいなりに

小さければ小さいなりに

 

ね。

 

 

今日はこんなお話でした。

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Posted by 仲野 蓮 - 2014.05.03,Sat

今年の4月にXPのサービスが終わった。
 
これに関しては前々からアナウンスされていたので、特に驚かなかったのだが
 
自分用のpcも、ティアマットで使っているpc達も全てXPだったので、いよいよ買い替えることとなった。

 
さて、そのニューマシンだが、色んなところで言われているように、
Windows8は様々な箇所で今までとは仕様が異なり、皆さん苦戦している模様。
 
御多分もれずに、うちのティアマット一家の連中も苦戦しているようだ。
勿論私も、やりにくいなーってのは当然思った。
 
だがやっぱり「その新しい仕様に慣れていかなければイケナイ」ってのは分かっているので、試行錯誤しながら使っている毎日だ。


 
***新しいpcに環境が変わったティアマット一家のそんな先日**


うちの教育担当が新しいpcに向かい、何やらテキストを作っていた。
 
見るとはなしに、何となーく眺めていると
慣れないタッチパッド操作の為か、凄くやりにくそうに作業と格闘している。

さらに「遠回りな作業だなぁ」って感じるそんな場面が多々見られた。
 
『まだ慣れないpcだし、仕様も思いっきり違うわけだからまぁしょうがないか。。。』
 
その時はそう思って黙っていた。

 
が、
 
別の社員も同じように【遠回りでやりにくそうに作業】を行っているのを見た時に、自分との大きな違いに気が付いた。
 
なんで、作業しやすい環境にカスタマイズしないのだろう??
 
『タッチパッドが使いにくいなら、マウス付ければイイジャン!』
『毎回探すのが大変だったら、ショートカットを作ればイイジャン』
 

と思わずその時は、大きな声を出してしまった ( `―´)ノスマンスマン
 

 ***

 
知る人は知っていると思うけど、私も元々はグレイトメカ音痴。
「OS?なにそれ美味しいの??」ってなくらい右も左な人だった。
 
でも必要に迫られて始めたpcだけど、それなりに使うようになってきたら少しずつ慣れてくるものだ。
 
『どうせ使うならストレスが少しでも少ない方がいいし、楽もしたい』
 
そしてその方が絶対に長続きするのも分かっているので、出来ないなりに効率の良くなる方法を探したくなる私がいる。

 
今ってグーグル先生とかに聞けば、それなりに答えが見つかったりするよね?
 
ただ最初の最初って、何がわからないのかが分からないから、何をどう聞いたらいいか分からないし、検索だって出来ないけど、

コツが見えたら、勢いがついてどんどん理解出来ていくもので、
今では人並みにPCを使いこなせている自負はある。
 


ちょっと本筋の話から脱線しちゃうけど
 
今回XPから8.1へ変わったことによって、最初はトップ画面(タイル)のに混乱した。
だけどこれはアプリなんだ!って見方を変えたら、分かりやすい。
 

使わんモノは削除削除!

 
「ゲームとかがなんでデフォルトなんだ?いらんイラーーン!」
 
画面の見方が分かってくると、OSのバージョンは違えども基本的なアイテムは変わっていないので、後は何がどこへ変更されたかを理解できれば、比較的理解も早くなる。
 
色々と必要のないものは捨てていって、いたってシンプルなタイルが完成!
 
そうなってくると、あとは自分の使いやすいようにタスクバーをカスタマイズ出来れば、以前と同じように作業出来るわけで、
さらにPCのスペックは数段上がっているわけだから、以前よりも快適に使えるのは当然って話だ。
 
そんな私のニューPCは、以前のXPで出来た作業で出来ないことはほぼ無くなった。
あと数点気になるところがあるにはあるのだが、多分これもじき解消されるだろう。
 
 
話を戻して戻して。
 
 
最初に教わったやり方に沿って作業をするってのは、よーーっく分かるし

自分がよく知らないジャンルの事を、自分勝手に解釈して進めるのは変な自己流を招いたりして、効率的にも能率的にもマイナスな事は多々ある。
 
特に会社のパソコンなどは、素人が勝手に動かしちゃった結果
大事なシステムそのものを変更させちゃう事もあるから、勝手に何かをしようとするのは躊躇われちゃう事でもあるだろう。
 
また、確かにpcが不得手な人間であれば、本当は効率の悪い作業であっても、それが当たり前なのかなぁって思ってしまうのかもしれない。
 

だけど、「やりにくいなぁ」って感じたのであれば、その環境は改善出来た方がイイに決まっている。
 

また「面倒な作業だな」って感じたら、それを効率化させる方法がないかを考えてみる。もしくは提案してみるっていう努力をすべきであろう。
 
だってそっちの方が絶対楽だし続くよ。
 

【効率化=楽してサボる】ではないと思う。
 

そしてこれはpcだけに言える話ではないと断言したい。
 
 
***


私たちの様な業種であれば、技術の分野で「なんでこれはこういうやり方するのかな?」ってのは出てきて当然だと思うし

当然接客やサービスの分野であれば、多岐に亘りまくるはず。
そうやって少しずつ業界が進化していったのだと私は信じている。
 

ひとつ例えるなら、ティアマットの技術でも一番の看板商品でもある【ドライカット】
 
ドライカットってのは、【従来のウェットカットでは再現しにくいスタイルを、効率良く切る方法の一つであると今では広く認められている。】

 
でも今から20年ほど前の美容業界では、ウェットカットが主流の時代で
ドライの状態でカットするなんて考えてもみなかった。

 
これは余談なんだけど、ドライカットがまだ全然知られてなかったそんな頃、
自分の働いている店舗では取り入れている技術者がいなかったので、外でドライカットの講習を受けてくることなった私。
 
サロンに戻り復習をしている私に、ある先輩技術者がこう言った。
 
「それってカッコつけて切ってるだけでしょ?」
 
この台詞が当時の状況を物語る。
そんなワケあるはずないんだけど、その当時の先輩技術者にはそう見えたってはなし
 

ウェットカットの特徴として、狙ったスタイルを切りやすいってのがある
ただ、【直後は良くても髪を乾かすと形が変わってしまう】という弱点もあった。
 
特にくせ毛の場合は顕著で、濡れている状態で綺麗に切り揃えても、
普通に乾かしただけでは、なかなか纏まってくれなかったりする。
 

ちょっと考えてみれば当たり前な話なんだけど、

「髪が濡れたままで生活をしている人はいないワケで」

日常のシーンに近い状態でカットが出来れば、それに適したスタイルになりやすい。
 

なんでコレに今まで気が付かなかったのだろう。。って習得した時に感じた。(自分もくせ毛のクセに。。。)

だからと言って、今までのウェットカットを否定するつもりなどまったくないし、シーンによっては、ドライカットよりも使いやすい場面だって多々ある。
 

『使い分けの選択肢が大きく変わった』ってそんな瞬間だった。
 

ちなみに【ドライカット】は私の美容師人生で、一番衝撃が大きかった革命的技術である。
 

盲点を突く技術や方法って、気が付かないからセンセーショナルなんだよなーって思ったりする。

意識を変えさえすれば、投資なんて自分の手間と努力だけで済む。
これって【最強に安価な効率化】なんだと思う。
 

***
 

今まで通りをそのままなぞる。
 
それも間違えていることではないと思うけど、カスタマイズしていけるモノならしていく方が私はイイと思うんだ。
 
『やりにくいなぁ』、って感じたら
それは閃き、そして試すチャンスなんじゃないかな?

 

各会社には慣習となっているような事項って沢山あると思う。
 
例えば掃除一つを取ってみても、雑巾がけを頑張るよりモップを使った方が
効率的にも体力的にも楽だったりするときってあるよね?
 
でもその会社にはモップがなかったとしよう。

「なぜモップがないのか?」を確認したうえで、それが単純に無いだけなら購入するなりリースするなりした方が皆の為だと思わない?

 
私は今まで少なからずの人数を雇用してきたけど、こういう些細な提案を出来る人って思いのほか少ない。
 
それは昔から必要で続けられてきたモノもあるだろうし、なんとなく続いちゃっているモノもある。
 
新しいやり方ばかりが良いわけではないけど、もしそのやり方に疑問が生じたら、提案してみるってのは私は悪くないと思う。
 

 
私たちの業界で少し例を出すと(他業種の方、分かりにくくてスマン)
 
・パーマ用のターバンに使用するタオル。
これってカラーが色落ちしてタオルに色が移ることってあるよね?
レンタルタオルを利用しているならともかく、自分達でその都度ブリーチするのって手間だ。
 
・であるなら、【パーマ用のターバンは黒タオル】を使ってみたらどうだろうか?
 
なんとなく慣例的に、カラー以外に黒タオルって抵抗ある人もいるかもだけど、
お客様からしてみたら、そこって気にならないモノじゃないかな?(パーマロッドはカラフルだし)
 
・次いで言うならカラーシャンプー時に、首タオルが染まっちゃう事って多々あるよね?
 
それこそ思い切って首に巻くタオルも、【黒タオル】にしてみたらどうだろうか?
ちなみにこれはティアマットでも実践しようと、つい今さっき採用された。
 
 
・カラー剤を混ぜるときに使用するマドラー。

普段は小サイズで十分だけど、ヘナを混ぜるときは物足りないから二本三本を纏めて使ったりするよね?
 
それも工夫だと思うけど、であるなら【大サイズのマドラー】を一本用意してみたらどうかな?多分100均で買えるよね?(やってみたら楽になった)
 
 
・これはやっているサロンも多いと思う、カラーの道具を纏めたカラーワゴン。

これがあるなら【パーマワゴン】ってあると便利よね。アップセットの多い店舗ならピン皿やクッションブラシを装備した【セット用ワゴン】なんかも。
 

まだまだあるけど、言い出したらキリがないからこのぐらいに。
 
使いにくいものを、そのまま使い続けるのではなく
 

ちょっとした工夫で、楽できちゃうってこと。
 

こういうことは沢山発見できた方がイイヨネ!
 
 
探してみると結構あるよ!
 
今日はこんなお話でした。

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Posted by 仲野 蓮 - 2013.11.13,Wed
食材偽装問題が後を絶たない。
皆さんが言われている様に、きっと氷山の一角だろう
 
 
私も今ではそれなりのお店へ食事へ行く機会も増えた。
 
他より値段の少しお高めのお店だけど、そこのお店の雰囲気が好きで、
お客様を喜ばせたいって思っている職人が提供してくれるから、常連として足繁く通うワケだ。

そこには当然、お高いお店に行っているという見栄も少なからずあるのを私は認める。
 
そこの人から「厳選された素材だ」って言われれば私は疑わないし
自分も高いお金を払っているっていう自負があるから、騙されているなんて考えもしない。
 

そんなちょっとお高いお店に行った際、
 
『おーコレは日本一のナニナニだ、最高に美味い!』
『これってどこそこ産のナニソレを使ってるだけあるよなー』
 
って、そんなエラソーの分かったような事を喋ってる。
 
でも二流で育った超庶民の私だもん、私は多分【違いの分からない男】だ。
 
おそらく私は本当の味など、分かっちゃいない。
嘘の方便も通じまくっちゃっている、そんなメデタイお客だ


多分私は分かってない。

騙そうと思えばいくらでも騙せるお客だ。
だから裏切らないでほしいんだ。


『騙されちゃうから、騙さないでくれ!』



これがサービス業におけるお客様の声だ!
 
 
上の文章は、201310/30アップの社長ぶろぐにアップしたモノを抜粋しました。
 
 社長ぶろぐ327:【違いの分からない男だから】
    http://tiamatblog.blog35.fc2.com/blog-entry-472.html   
 
 
今問題になっている食材偽装問題
これは何も外食産業に限った話じゃない。
 
今日はそんなお話です。
 
 
***


確かに黙っていれば分からない事もある。
それをヨシとする時だってあると思う。

 
私だって商人、必ずしも正直ばかりじゃ商売にならんことは心得ている。
でもコレはサービス業として、やってはいけない事だと私は心から思う。


私達第三次産業において

「金額以上のサービス」とか「最上級のパフォーマンス」とか謳っても、ハッキリ言って不透明な事って多い。

そしてお客様は分かっていない事も多い。
だからこそ手を抜かないのが、私達の義務なハズだ。

『騙そうと思えば騙せちゃうから、騙さない』と自分達に課す。

それが【安売りしないお店の定価の意義】であると私は断言したい。
 
 
 
これを私達の業種に例えるなら
 

『最高級シャンプー使ってますよー』
 
なんて言いながら、中身はドラッグストアのやっすいシャンプーだったり。
もしくはソレを使ってはいるけど、希釈したりブレンドで嵩を増やしたり。
 

「ウチは技術者はトップスタイリストだけです!」
 
って宣伝していながら、実は人数合わせのペーパードライバー技術者だったり
 
 
もっと言っちゃえば、私を指名して来てくれているお客様に対して、
覆面をした『偽仲野蓮』が担当してる事にする(顔を怪我したとか言って)

もしくはその日出勤していないのに、居るふりをして指示を出しているように見せかける
 
分かりやす過ぎる例で恐縮だけど
 
ティアマットという東京赤坂の都心部で、それなりの美容院のトップスタイリスト【仲野蓮】に期待しているからこそ
毎回安くない金額を払ってもらえているのだと思う。
 
これが【ニセモノ】だったら腹立つでしょ?



もちろん危機回避や企業努力というのもある。
例えば、メニューに謳っている食材がどうしても規定数手に入らなかった。
だから、今ある食材達でどうにかその姿に近づけよう。
 
それは職人本来の姿のハズだ。
 
安い食材しかないけど、これを使って今までにない調理をしよう。
多く手に入る食材だから、さらなるバリエーションを増やそうじゃないか!
 
これぞ一流の職人の業だろう
 
だけど、コスト削減や手間を省くためにそれをやってしまったら、それはお客様をバカにする行為だと知れ!
 

 
↑で覆面仲野蓮の例を出したが、
 
もし私が突然のインフルエンザで、今日休まなければいけない事態があったとする。
 
当然その日のお客様の接客は出来ない。
その事態を知らないお客様は来店されてしまう。
事情を話して、別日に予約を取り直してもらうのも一つの方法
 
そしてこんな方法もある
 
病欠の私は担当出来ないけど、電話などで信頼おけるスタッフと相談し、お客様の希望を私の代わりに代打してもらう。
 
事情を説明されたお客様は、ガッカリするかもしれないし満足度は下がるかもしれないけど
少なくともそれに対して怒り出したりはしないだろう。
 
それはこちらの誠意も汲んでくれるからだ。


『企業努力とニセモノは全く違う』


ニセモノとこちらが認識した時点で、それはお客様を騙す事になるのだと思う。
 
【ニセモノはニセモノでしかない】という事は認識しとかないといけない。
 
 
 ***


次に、これは危機回避にも企業努力にも繋がるモノだと思うけど
 
フレッシュジュースじゃなくても、納得できる味
車エビでなくとも、値段に見合う調理方法
 
冷凍食品って言われると、なんだか手を抜いている様に見えちゃうけど、
冷凍技術だって現代にっぽんの技術は世界有数だ。一昔前の様な体では絶対にない。
 
これらを使いこなし時短に繋げ、スムーズな提供を成功させる。
こういうテクニックも、やっぱり一流の成せる業だろう。
 
 
でもどうだ?

 
もしあなたが調理人で、これらを故意に偽っても全く気が付かれなかったら、
真面目に取り組むのが馬鹿らしくなって来ないか?
 
 
・実際に誤表記を見破れないお客様(まぁ普通は見破れないけど)
・ベストを尽くしていない、自分の調理
 
それを有難がって、高い金額を払うお客様を尊敬できるだろうか?
 
 
 
そして、これは私達の業種も含めどの業種でも言える事だけど
自分の経歴を詐称とまでは言わなくとも、誇張していたりする自称大物がいる(大なり小なり世の中にはこの例は蔓延っているよね。)
 
またこのジャンルではそんなに実力は無いのに、別の業界で有名人だったり世襲だったり、担ぎあげられちゃった職人も少なくない。
 
 
両方とも名前だけが先行してしまって、本当は中身の薄い技術者かもしれないけど
実際には、そういうステータスを求めて来店されるお客様も沢山いる。
 
中にはそのステータスだけで、美味しく頂ける人もいるかもだけど、
そこばかりを気にしているお客様って、なんだかカッコ悪く見えるよね。
 

「あの人全然わかってないなぁ」って思っちゃうでしょ?
 
 
その名前先行の人も、後の努力によって周囲を納得させられる実力が伴っていけば、
きっとそれは【商売における演出】の範囲で済むんだろうけど
 
いつまでもステータスだけの職人って、同業者には必ずバレる
 
 
もしそれを良しとしている状態が長く続いて、
【本当は実力がない職人】が担ぎあげられているのが普通になってくると
 
真面目に修行している人間は馬鹿らしくなり、それを有難がっているお客様も尊敬できなくなる。
 
こうなってくると、その店舗に繁栄はない。
 
 
***

 
ちょっと話が反れちゃうけど以前、

才能も無いクセに、妙なコネや偶然で一気に名前が売れちゃった人なんかは、
元々がハリボテだから、その膨らませた名声に伴う中身を早急に作れないと、必ず地に落ちていく。

これはなにも芸能の世界に限った話じゃ無い。

2代目3代目でどんどん業績を悪くする会社が後を断たないのは
こういう背景もあるのだと思う。
 
って書いた事があるけど、
 
 
これはその【ハリボテな人が優遇される状態】をほっとくと
本当に努力したい人が、馬鹿馬鹿しくなって白けちゃうのが原因の一つだと私は思う

 
「手を抜いてても平気だよ」って勘違いしたら高みには行けない
 
手抜きを繰り返していると、お客様を尊敬できなくなる。
お客様を尊敬できなくなったら、その商売は必ず失敗する。
 
そういう空気は絶対に作っちゃいけない
 
コレは確実に言っておきたい!
 
 
***
 
 
もう一度私達の美容業に話を戻す
 
例えば何故このカラーコースが13000円なのか?
 
はたして自分がお客として、その金額を職人である自分に支払えるか?
もし支払えないなら、それはなぜなのか?
そもそも定価を払えない自分の技術と接客なのに、人に要求するのって本来ならおかしい。
 
例えばトリートメントや頭皮ケアを常に提案してるけど、
アシスタントスタッフにそういう教育がなされなく、実は意識も知識も薄い。
 
これだって、結局お客様を騙している事に繋がっちゃう。
 
これくらいでイイヤ
分からなければ大丈夫
 
ってのでは、結局騙している事と同義であるということを知らなければならない。
 
 
 
ちなみに私の経営するティアマットでは「技術のシェア」というのがある。
 
 例えば、新しい薬剤や技術を導入した時に、
『こんな髪質の方に使うとこんな感じになる』、など
その使用感や特徴をの一覧表を作り、みんなで記入しその情報をシェアする。
 
これは、どうしてもできてしまう【キャリアの差による技術と知識の差】を、 こういう形で共有することによって「 少しでもその差を埋めていく」というモノ
 
【技術や知識、そしてイイ接客】を自分だけのモノにしない。

という趣旨で必ず行うようにしている。
 
 

ある日、この先にシャンプートリートメントのキャンペーンを行う予定だったから、
シリコンシャンプーについての知識のシェアを行った。
 
その翌週、
復習の意味を込めてアシスタントのKに、
 
『シリコンシャンプーってどうなの?』って問いかけたら、
 
「シリコンシャンプー、は わる く ない」ってバイオみたく答え、私を呆れさせた。
 

先週こういった技術知識のシェアを施したつもりだったんだけど、その時そのアシスタントはきっと上の空だったんだろう。

結果的にこのアシスタントの意識の低さを露呈する結果となってしまった。
(もちろんその後トリートメントの特訓を受けさせた)
 
 
私達はまがりなりとも、ヘアスタイルのプロとして代金を頂いている。
完璧な答えは持っていなくとも、そこに近づけようとする意識は持ってなきゃいかん。
 
 
***

 
分からないなら分からない方がイイ。
分からない人は分からなくてもイイ
 
それでもお客さんが喜んでいるならソレデイイジャン。
 
私も商人だから、そういう理論も否定できない。


だけど
 
お客様を騙すという行為は、結果的に自分達の士気を下げる事にも繋がる。
 
また真面目に高みを目指す人の想いを砕くモノでもある。
 
そう認識しなければ、人はまた繰り返す。
 
 

今日はこんなお話でした。
 
 

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Posted by 仲野 蓮 - 2013.08.22,Thu
私達職人の世界において技術トレーニングと言うのは、
ある程度一定のレベルが保てるようになるまで、何度も何度も反復練習を繰り返し行い身に付けるものである。
 
そして修行を積む者は、指導者の教えを聞き日々の糧にしていくものだ。
 
トレーニングの際、多くの指導者はその日の練習内容の感想を述べて
言われた方はそれをメモするなり、心に刻むなりして次回の練習に励むコトになる。
 
 
そしてその過程において技術習得のメドがたってくると、各技術ごとにテスト(チェック)を受けて、先輩達のお墨付き(合格)を貰って入客する事になる。
 
これが一般的な技術トレーニングのスタイルだろう。
 
 
ティアマットでも同じ様にこういったスタイルを取っているが
その他に特徴的なのが、一般的な技術トレーニングを行いつつ
【ふりかえりトレーニング】というのを実施している。
 

【ふりかえり】とは?
 

今日はこんなお話です。
 

***

 
先日うちのアシスタントのパーマのチェックがあった。
 
制限時間内に合格ラインの作品が出来ているかを、技術指導の人間がチェックするという、美容院におけるごくごく一般的なテストだ。
 
私ももちろんそのテストに親方として参加していたけど、
技術教育及びテストの合否に関しては、技術指導部の人間に任せてあるので、
 
テスト終了後、今回のパーマテストに関する自分の感想を技術指導部の人間達に伝えて、先に退散する事にした。
 
 
私が帰宅準備をしていると、テストの合否を別室で待つ当のアシスタントの祈るようなポーズが目に入った。
 
そこで私は彼女の試験に対する姿勢に、前々から思っていた事を言った。
 
『○○さん、確かに合否は私達が決めるものだけど、それよりも自分が合格ラインに到達出来ているのかどうなのかの自覚が大事だよ』
 
 
 
私は試験というのは受ける前から、ある程度合否が決まっているモノだと思っている。
 
なぜなら練習以上の成果は出ないものだから。
 
もし本番に【会心の出来】があったとしても
それはそれまでの練習の積み重ねの成果が、たまたまそこにきたに過ぎない。
 
それよりも何よりも、毎日本気で繰り返し練習を行っていれば
その日の出来というのは、自分にとって何点くらいなのかの採点くらいは出来るのだと思う。
 
つまり合否はある程度自分で判断出来るとも言える。
 
 
だからテストの場においても、まず私達指導側がその技術に対しての評価を下す前に
トレーニングをしている人間が、その技術に対して自己評価をするべきだと私は指導している。
 
「はたして今日のテストの出来は合格ラインだったのか?」
 
仮に、もしそのテストを受ける人間の合格ラインが
指導する人間の合格ラインと違っていれば、そこは正してあげるべきだと思うし
技術を身につけようと切磋琢磨する人間は、自分に甘い合格ラインを設定する暴挙は慎むべきだろう。
 
 
これは何もテストのみに言える事ではなく、普段の技術トレーニングもそうすべきだ。
 
 
新人アシスタントがシャンプーレッスンをしている。
一通り終わり、タオルドライをしている時にモデルになった先輩が
 
「襟足の流しが甘かったよ」や「カキが小さい」
 
などなど、そのレッスンの感想を述べている、良くある美容院技術練習時の一コマ。
 
 
もちろんこういうのも必要だ。
だが、ティアマットではその先輩の意見は後回しにしている。
 
つまり、1レッスンが終わったら指導者がこう聞くのだ。
 

『○○さん、今のは(シャンプートレーニング)どうだった?』
 


新人アシスタントは、なかなか上手く答えられない。
 
でもそれでこちらから回答を振ったりはしない。
この答える事もトレーニングなのだ。(これが重要!)
 

これをティアマットでは【ふりかえり】と呼んでいる。
 

この【ふりかえり】をする事で、自分の技術の見直しになることはもちろん
名称を覚えたり、相手に伝える事の難しさを学ぶ事が出来るのだ。
 
さらにこれには隠れた効果がある。
 
それは1レッスンの後に【ふりかえり】が待っていると思うと
一つ一つのレッスンに手を抜きにくくなる。
 
コレが終わったら必ず「どうだった?」と聞かれる。
 
プレッシャーになることは間違いない、だが私はこれくらい緊張感を持って練習すべきだと常々思っている。
 
 
 
今の若手は世に言うゆとり世代

 
全員が全員そうだとは言わないけど、やはり【言われたことしかやらない】人材は少なくない。
 
 
50+50=?
 
というのを習うのが学生時代ならば
 

○+△=100
 
この式の答えの様に、数多くの○と△を覚え、
さらに次の世代に教えるのが社会人の役目だろう。

 
 
自分の技術をふりかえる。
自分の接客をふりかえる。
自分の今日をふりかえる。

 
それを人に伝え、自分で納得し人にも理解してもらう。
これが【ふりかえりトレーニング】
 
面倒くさいし、ふりかえりを指導されるのは怖いものだ。
でも一回の練習でも無駄にしない姿勢は絶対に身になると思う。
 
 
自分で考える事の出来る、【ふりかえりの出来る社会人】が一人でも多く活躍する事を切に願う。




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プロフィール
HN:
仲野 蓮
性別:
非公開
職業:
美容室経営
自己紹介:
千代田線赤坂駅徒歩0分の
美容室ティアマットの社長であり、
髪職人でもある仲野蓮が
美容業界の事を掘り下げて語ります。

どの商売でも起こりうる問題点に、
真正面から取り組みます。

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