ある程度一定のレベルが保てるようになるまで、何度も何度も反復練習を繰り返し行い身に付けるものである。
そして修行を積む者は、指導者の教えを聞き日々の糧にしていくものだ。
トレーニングの際、多くの指導者はその日の練習内容の感想を述べて
言われた方はそれをメモするなり、心に刻むなりして次回の練習に励むコトになる。
そしてその過程において技術習得のメドがたってくると、各技術ごとにテスト(チェック)を受けて、先輩達のお墨付き(合格)を貰って入客する事になる。
これが一般的な技術トレーニングのスタイルだろう。
ティアマットでも同じ様にこういったスタイルを取っているが
その他に特徴的なのが、一般的な技術トレーニングを行いつつ
【ふりかえりトレーニング】というのを実施している。
【ふりかえり】とは?
今日はこんなお話です。
***
先日うちのアシスタントのパーマのチェックがあった。
制限時間内に合格ラインの作品が出来ているかを、技術指導の人間がチェックするという、美容院におけるごくごく一般的なテストだ。
私ももちろんそのテストに親方として参加していたけど、
技術教育及びテストの合否に関しては、技術指導部の人間に任せてあるので、
テスト終了後、今回のパーマテストに関する自分の感想を技術指導部の人間達に伝えて、先に退散する事にした。
私が帰宅準備をしていると、テストの合否を別室で待つ当のアシスタントの祈るようなポーズが目に入った。
そこで私は彼女の試験に対する姿勢に、前々から思っていた事を言った。
『○○さん、確かに合否は私達が決めるものだけど、それよりも自分が合格ラインに到達出来ているのかどうなのかの自覚が大事だよ』
私は試験というのは受ける前から、ある程度合否が決まっているモノだと思っている。
なぜなら練習以上の成果は出ないものだから。
もし本番に【会心の出来】があったとしても
それはそれまでの練習の積み重ねの成果が、たまたまそこにきたに過ぎない。
それよりも何よりも、毎日本気で繰り返し練習を行っていれば
その日の出来というのは、自分にとって何点くらいなのかの採点くらいは出来るのだと思う。
つまり合否はある程度自分で判断出来るとも言える。
だからテストの場においても、まず私達指導側がその技術に対しての評価を下す前に
トレーニングをしている人間が、その技術に対して自己評価をするべきだと私は指導している。
「はたして今日のテストの出来は合格ラインだったのか?」
仮に、もしそのテストを受ける人間の合格ラインが
指導する人間の合格ラインと違っていれば、そこは正してあげるべきだと思うし
技術を身につけようと切磋琢磨する人間は、自分に甘い合格ラインを設定する暴挙は慎むべきだろう。
これは何もテストのみに言える事ではなく、普段の技術トレーニングもそうすべきだ。
新人アシスタントがシャンプーレッスンをしている。
一通り終わり、タオルドライをしている時にモデルになった先輩が
「襟足の流しが甘かったよ」や「カキが小さい」
などなど、そのレッスンの感想を述べている、良くある美容院技術練習時の一コマ。
もちろんこういうのも必要だ。
だが、ティアマットではその先輩の意見は後回しにしている。
つまり、1レッスンが終わったら指導者がこう聞くのだ。
『○○さん、今のは(シャンプートレーニング)どうだった?』
新人アシスタントは、なかなか上手く答えられない。
でもそれでこちらから回答を振ったりはしない。
この答える事もトレーニングなのだ。(これが重要!)
これをティアマットでは【ふりかえり】と呼んでいる。
この【ふりかえり】をする事で、自分の技術の見直しになることはもちろん
名称を覚えたり、相手に伝える事の難しさを学ぶ事が出来るのだ。
さらにこれには隠れた効果がある。
それは1レッスンの後に【ふりかえり】が待っていると思うと
一つ一つのレッスンに手を抜きにくくなる。
コレが終わったら必ず「どうだった?」と聞かれる。
プレッシャーになることは間違いない、だが私はこれくらい緊張感を持って練習すべきだと常々思っている。
今の若手は世に言うゆとり世代
。
全員が全員そうだとは言わないけど、やはり【言われたことしかやらない】人材は少なくない。
50+50=?
というのを習うのが学生時代ならば
○+△=100
この式の答えの様に、数多くの○と△を覚え、
さらに次の世代に教えるのが社会人の役目だろう。
自分の技術をふりかえる。
自分の接客をふりかえる。
自分の今日をふりかえる。
それを人に伝え、自分で納得し人にも理解してもらう。
これが【ふりかえりトレーニング】
面倒くさいし、ふりかえりを指導されるのは怖いものだ。
でも一回の練習でも無駄にしない姿勢は絶対に身になると思う。
自分で考える事の出来る、【ふりかえりの出来る社会人】が一人でも多く活躍する事を切に願う。
さらに2週間に一回という頻度で通って頂けている、ティアマットにとっても私にとっても、とても大切なロイヤルカスタマーです。
普通のって言うのも変だけど、まぁ都心部に数店舗ある美容院だという。
(良かれと思ってやってるわけですが。。)
パーマをかけたものの、すぐ落ちちゃう時ってありますよね。
美容師視点から一つ まず5日で落ちるようなパーマは
そもそも失敗です。
いくら直毛でかかりにくいとは言っても、いくら美容師さんが
もっともらしい理由をつけたとしても、それはかけなおしにいくべきです。
ただ、ほんっとにバージン毛でかかりにくい人の場合
良くある事なので、気兼ねせずに相談するのが良いと思います。
んで、一回髪の毛に薬が通ると(この場合は前回のパーマを指す)
髪が薬を受け付けやすくなりますので、次には時間もそんなに
かからないはずです。
ただし、ここで注意してほしいのが、
恐らく、かかりがいまいちだったときの美容師さんの行動ッってのは、
大概、そぎを根元から多めに入れて、
なるべくふんわりみせるようにやりがちです。
これも間違いではないのですが、その状態でかかりが悪かったといって
より強い薬を使われると、今度はかかりすぎる可能性があるので
そこは注意してもらいましょう。
ココからは美容師視点のお話。
人それぞれ髪質はありますが、ストレートで細めの髪を見た時に
なんとなくかかりやすそうに見えて、シス系の薬でかかるだろうと
思って進めたのに、全然かからないって経験は
美容師であれば経験したことある人多いんじゃないかな。
また毛量も多めでしっかりあって、触ったらちょっと
キュッキュッってする感じで、キューティクルを感じられる髪質で
若干畳をイメージさせるようなくせ毛。
これもかかりにくいですよね。
前者の髪質の場合はかかり始めると、めっさかかっちゃうので
さらになかなか落ちないので
かかり過ぎには兎に角注意です。
やや強めの薬剤に大きめロットで対応しましょう。
中和後二剤のタイミングで、思いっきりシマるパターンが多いです。
後者であれば少し強めの薬でやってもらっても良いと思います。
こちらの場合は2剤でいきなりシマったりしないので
薬を強めるのではなくロットを少し細くしてみましょう。
実際に見て触った訳ではない状態での仮定の話ですが
ちょこっとだけ参考になればと思います。
自分が想像しているよりも弱かったりするパターンってのは
けっこうあるはず。
そんな時はセット剤を多くつけてね、とかその場凌ぎの言葉なんか言わずに
自分視点で弱いと感じたら、それは申告し
すぐ落ちるようならかけなおしますと、ちゃんと伝えるべき。
そして、その状態をしっかりとカルテに記入しておき
次回の糧にするんだ!
職人にも誤算はある。
決して
ごまかしのトークとごまかしのアフターカットをしてはならない!
美容室ティアマットの社長であり、
髪職人でもある仲野蓮が
美容業界の事を掘り下げて語ります。
どの商売でも起こりうる問題点に、
真正面から取り組みます。
開業運営メール相談も受けますので
お気軽にどうぞ。
メールはこちら→ren@tiamat.co.jp
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