一人で独立開業するのはなかなか難しいもの。
そして独りでやろうとすると不安が付きまとうものです。
私にもよく友達と共同経営でお店を出したいのですが、という相談がきます。
すでに様々な場所で議論されているように、
初めての独立開業で共同経営のスタイルを取る事は
私も基本的には反対です。
最初は同じ方向を向いているからいいんです。
給与休みが少なくても我慢出来ます。
でも、人間ってのは絶対に同じ気持ちではいられなくなります。
美容室だけに限らず、商売を始めると言う事は5年10年もたせればおっけい
って、そんな短いスパンで物を語ってはいけない。
開業した人間の中には途中で業務拡大とか
店舗展開が可能になる人もいるかもしれませんが
そんなに世の中甘くないです。
みんながそれを出来るなら、25万件あると言われている
全国の美容室の70%が2人以下でやっている美容室であるわけがありません。
そして、美容室はハッキリ言って儲かりません。
いつもいつも相方が自分と同じような気持ちでいてくれる訳ないんです。
近しい間柄で何年も仕事をしていくうちに、
なんやかんやで理由をつけて、早く帰っちゃったり。
予約の入っていない技術者を、定休日や決めてた休みの日以外に休んじゃったり
お客さんの入っている時間だけの出勤をしてみたりなどなど
どんどん規則順守や向上心、その辺が緩くなってきがちです。
少人数で営業していくと
やはり揉めたくないんですよね。喧嘩したくないんですよ。
立場は確実に社長と専務って分かれていても、
あからさまに相手を下げるような事はしたくない。
それは絶対にずっと付きまといます。
出資金などで「差のある状態」ではじめても、
少人数で始めてそのままでいると、いずれ
仮に社長と専務って形をとっていても、共同で一つの商売をやっていくのは
非常にリスクがあります。これが共同経営となると。。。
同じラインのはずの共同経営はそれ以上に難しい。
仲の良い仲間でいたいと、考えるのであればあるほど慎重にいくのが良いでしょう。
共同経営と言っても、2人ではなく資本もそこそこ大きい状態で始められて
さらに技術者同士というスタイルではなく、経理管理と営業運営など業種を分けた形で
進められるのであればこのかぎりではないと思いますが、
お互いにイーブンの技術者で続けていくのは厳しいと思います。
どちらの方が多く集客しているのに、立場が同じと言うのは
必ず摩擦を起こしていく事でしょう。
私は100%自分の出資の会社としてスタートさせました。
ご存じのティアマットver1 赤坂の裏通りのそれはそれは小さいお店です。
私も元々は3人(技術者2アシスタント1)で美容室をはじめようと準備してましたが
アシスタントはすぐ辞めてしまい、結果として技術者2人で丸4年間過ごすこととなります。
うちは5年目に店舗を拡大し
さらに2年経って社員も増やしたタイミングで
開業当時から付き合ってくれている技術者に、社員管理責任者の立場をあたえて
事実上サロンの責任者としました。
これが彼にとっても良かったのか、今では積極的に社員教育に頑張ってくれてます。
もちろんその成果としてそれなりの報酬も払うことができてます。
結論として、私は一つの店舗に長は二人いらないと思います。
横並びよりも差のある関係の方がビジネスは円滑に協力し合えると思う。
これは実際に今日までやってきて感じたことでもあります。
もし本気で共同経営を現実として考えておられるのであれば、
1年後2年後ではなく10年後も同じ気持ちでいられるかをよく考えるのが良いでしょう。
美容室ティアマットの社長であり、
髪職人でもある仲野蓮が
美容業界の事を掘り下げて語ります。
どの商売でも起こりうる問題点に、
真正面から取り組みます。
開業運営メール相談も受けますので
お気軽にどうぞ。
メールはこちら→ren@tiamat.co.jp
Powered by "Samurai Factory"