2009.4月 都内美容学校にて
君たちの中で将来独立開業したいって思っている人はどれくらいいる?
それは大体自分がいくつくらいになったらやりたいて思ってます?
25?30?35?40?
具体的にこんなかんじで、そんな場所にって決めてる人はどれくらいいます?
分かりました。
では質問を変えて、開業した後何年間いくつまで仕事するつもりでいますか?
開業したらそんなに簡単にお店はつぶせませんよね?
自分の責任で開業したのですから、基本的にはずっと引退するまで
やっていく事になるのは分かりますか?
私達美容業界は大体全国に45万~50万人くらいの美容師がおり
22万件~25万件くらいのサロンがあると言われている。
これがどういう事かと言うと
平均の従業員数が2名であると言う事。
私達の業界と言うのは、ちょっと想像しづらいかもしれませんが
ほとんどのサロンが1~2名で営業しているという現実があります。
ここ東京ではそんな事ないって思うかも知れませんが
基本的に開業する時にいきなり社員5名で始められる人は
ごくごくわずかです。
しかし、中には大型サロンもあり
ちなみにティアマットでは8人の社員がいます。
つまりティアマットに8名の社員がいるって事は
その後ろには1名でやっている美容室が7件あると言う事です。
つまり美容業界は零細企業がほとんどを占める業界であると言えます。
今まで美容室と言うのは女性の世界で
男性美容師というのはほとんどいませんでした。
世に言う女性の社会進出の逆に、私達の業界は
男性が最近では台頭し始めてきました。
おばちゃんのパーマ屋さんと言うのは結構聞きますが、
おじちゃんパーマ屋ってのはほとんどみたことないでしょ?。
それ故にまだ絶対数が少ないので、比較しづらいですが
お爺さんになった美容師さんと言うのをあまり見たことないと思います。
美容師のピークっていくつくらいだと思いますか?
私は今30代半ばです。 美容師としての集客のピークは
もうちょっと上かなーって思ってはいますが
これが55歳であるとはちょっと思いません。
あえて言いますが美容業界特に美容師技術者のピークと言うのは
他の業種に比べて低いです。
スポーツ選手などと比べれば長いかも知れませんが
あちらはピークは短くとも、美容師とは比べ物にならないくらい
短い期間に収入を得続けられるので勝負になりません。
終身雇用制度が公務員以外になくなったとは言いますが
基本的に一般企業に勤めている人は
徐々に収入が上がるものです。
しかし私達美容師は、お客様の数イコール収入な訳で
ピークを早く迎えてしまうって事は、すなわち開業生活が
続くにつれて徐々に収入が下がってしまう事を意味します。
開業後徐々にお客様が増えて言ってそのうち2号店や
他業種に手をのばしていくから大丈夫って考えますか?
うん。それが出来る人は確かにいるかもしれない。
では最初に戻りますが、なぜほとんどのサロンが2名以下なんでしょう?
みんなピークが短いのを分かっていて、
わざわざそれをやってると思いますか?
世の中そんなに甘くないって事です。
もちろん開業に夢がない訳じゃない。
私も25で開業した時は、訳も分からずやってましたが
今は確固たる目標がありますし、
それに向けて徐々にではありますが進めてます。
夢は今でも見てます。
楽しいですよ。実際に自分で自分の道を決めて行く事は。
でも戻れないんです。
誰のせいにもできないんですよ。
続けているうちはあまり評価されずにいて、
潰れたらホラねって言われるのが独立すると言う事です。
全員が開業できません。
そして開業した美容室のほとんどが潰れます。
これが現実です。
一度開業したら基本的には、途中でやめる事はできません。
辞めると言う事は無収入になると言う事です。
両親がすげー金持ちとか誰かの2代目とかであればいいですが
普通はそれじゃ暮らしていけません。 当たり前ですね。
私の話をここまで聞いても、それでも独立開業したいと考えますか?
おっけい。では君達がそう思いたった時には
是非私に一声かけて下さい。 力になりましょう。
>>> 後半へ続く
美容業界に一度足を踏み入れてみると、
かなり矛盾の多い業界な事に気がつくはず
その矛盾点などはこの先もずっとこのコラムで書き続けていきたい。
まず、この業界に入った人間のほとんどが辞めていく現状があります。
30歳までに実に80%以上の人間が美容師を辞めていくと言われてる。
また、女性の職場であった世界へ男性が進出したまでは良かったのですが
では美容師の将来ってなに?
って聞かれると美容師の将来の夢、将来性の話をすると独立開業以外の
選択肢はないように見えるのが現状で、
実際にサロンで働いている人間に聞くと、いつかはやりたいです。
って人か
先のことをまだ考えていないひとがほとんどです。
もちろん若いうちに独立して、起動にのせたいってのは当然の心理です。
私はよく言いますが、独立開業するってことは決してゴールではなく
スタートラインにやっとたつことです。
ただ25で開業しても40で開業してもやることは一緒です。
あえて言いますが
美容師のピークってのは、他の職種と比べてピークが短い。
そして、100万円の仕入れで110万円儲かる仕事があったとする。
また、
もう一つ1000万円の仕入れで1010万円儲かる仕事があるとしよう。
儲けは同じ10万円だ。
でも世の中の評価は違う。
絶対に後者の方が評価され前者は低く見られてしまう。
世の中なんてこんなもんだ。
美容業を営む会社(お店)が世の中にどれくらいあるか
知って居る人はどれくらいいるのだろうか?。
25万件とも30万件とも言われるこの業界。
実は私も正確には知らない。
それは開業する時はとうぜん営業許可を申請するが
引退、閉店おめでとう!ってなるケースは意外と少ない。
そしてこの業界の70%のお店は1〜2人でやって居る個人サロンという現実がある。
つまり一部の都心部大型店を除いて、
ほとんどの美容室がさっきの110万円の美容室だともいえる。
こんな美容業界の現実を、これからサロンオーナーになろうとする人間は
意外と全然しらなかったりする。
私は今でこそこんな事を偉そうに言えるようになりましたが
そういうアドバイスをもらえたり見れたりするモノが
開業当時あれば、もっと楽だったのにって思う時がある。
私はこういうところに協力できるよう、勉強をしていきたいと思っていて
また、文章として読んでわかるような物を作りたいなって心から思う。
私もまだ開業して10年目、まだまだ先は長いです
これから10年もその先の10年も。
先日ひとり九州の美容学生さんが見学にきました。
別にティアマットに入店希望と言う訳ではなく(福岡勤務が希望らしい)
純粋に赤坂の美容室を見たかったのだそうだ。
熱心な人もいるもんだと感心しました。
私は面接はこちらが選ぶ
サロン見学はむこうがこちらを選ぶ機会だと考えている。
入社してみて違った。
と、ならないようにする為にも良い事だと思う。
新規オープンのお店は見学するのは無理だけど
オーナーもしくは従業員の考え方を聞ける言い機会です。
うちは現在募集期間中。
サロン見学にきた方には帰り際に
「うちに入りたいと思ったら面接を申し込んでね。」
と、相手にも選ぶ時間を持ってもらうようにしてます。
新卒中途問わず、お店の考え方や方針に賛同してくれる人に
面接にきてもらえると、肯定から入れると思うし
話もスムーズに進むことでしょう。
サロン見学というのは、大きく分けて2種類あるとおもいます。
まずは読んで字のごとく、そのサロンを見に行く事で
比較的大きな店鋪であれば、色んな箇所を見せてくれるんじゃないかな。
あとは自分の髪をやってもらいに、お客さんとして行くのもアリだと思う。
ただし、お客様として扱ってもらうのと
入った後スタッフとして扱われるのは大きく違うから
そこで確認するのは、お客さん視点から見て
そのお店の雰囲気がどんな感じにみえるか?って事。
そしてもう一つはそのお店の方針を聞くと言うもの。
私はどちらかと言えば、こちらの方がサロン見学らしいと考えいるんだけど
その時に対応してくれる人が誰かにもよって変わってきますが
オーナーの考え方や、お店の方針などを話してくれるはず。
先にも書きましたが、面接の逆をサロン見学と捉えてます。
聞きたい事を色々メモしていくと良いでしょう。
サロン見学は概ねこんな感じだと思います。
時間は1時間くらいを目安に考えておけば良いでしょう。
では早速サロン見学したいお店に電話をかけてみましょう。
日取りや時間を決める時、
ちゃんと向こうの時間の取れそうな時間帯を聞かないといけませんよ、
中には「何選り好みしてるの?」
なんて、サロン見学自体に否定的な人もいるから。
特に募集をかけていないお店の見学に行く場合はいきなり
「サロン見学にいきたいんですけれども」とか言っちゃダメです。
サロン見学が可能かどうかもちゃんと聞かないといけません。
あくまでも向こうの負担にならないように
失礼にならないように。ってのが最低条件。
もちろんそのお店の情報を先に色々入手していて
サロン見学を飛ばして、いきなり面接にいくのも問題ないです。
が、やはりどちらにしても最初は礼儀を守って。
というのが最低条件。
これから美容学生も就職活動の時期に入ってきます。
一店舗目は凄い重要。
そこでその先の美容師人生の根幹が出来ると思ってもいいでしょう。
もちろん二店舗目三店舗目を探す人にとっても
そのサロンがどんな意思を持っているのかを知るのは重要よね!
また自分のちっちゃさを痛感した出来事です
『シャネルでブチ切れ』
…化粧品ですけど。
池袋西武では誕生月のお得意様への無料カウンセリングというのがあり、
今日予約してたんですが
まず、誰も用件を受けに来ない
カウンターに通されてから30分近く待たされる
という状況になりまして。
キレてはいないけど、さすがにクレンジングから
お手入れしてもらう気分でもなくなってしまったので
『もういいですから普通に買い物させて下さい』
と言って、母親に頼まれたファンデを購入。
その途中に担当者が戻ってきました
…担当者決まってたんだね、知らなかった
ひたすら謝られながら、メイクだけ直してもらったんですが
…BAさん、手がタバコ臭いです
その担当の人が遅れたのが一番良くないんだろうけど、
それより私は他の人の知らんぷりの方が気になった
私の中では、担当者個人ではなく、
イケセイのシャネルカウンターが感じ良くない、ってインプットされるのに、
あまりにも他人事すぎるんじゃないかなぁ…
…いいんですけど。
でもやっぱりあんまり気分よくないから…
今度からは違うお店に行ってしまうかもしれない
…大人げなーぃ(つД`o)
ってコレどう思う?
この話は私の友達の体験談。彼女は大人げないって言ってるけど私はそうは思わない。
私はこの話を聞いた時に腹立つよりも恥ずかしくなった。
同じサービス業を営む者として情けなくなった。
しかし、美容室で働くあなた達もこれと同じような事をしたことはないだろうか?
そのお客様の担当者以外は知らんぷり。
その担当のお客様という意識の前に、「そのお店に来てくれてる」
という意識が欠けてたりしないだろうか?
私が修業した大型店はハッキリ言ってその傾向があった。
私が修業したそのお店では、どの技術者に誰がつくという
ユニット制は取り入れていなかったのもあって
アシスタントはすべての技術者につき、アシスタント達が
お店全体をみてマワス。という図式があった。
だが、アシスタント以外の手の空いている技術者の多くは、
他の忙しくしている技術者をほとんど手伝おうとしてなかった。
もちろん全員がそうだった訳じゃない。
でも、確実に自分指名の担当のお客様以外のお客様と触れる時は
あきらかにテンションが違ってたように思える。
考えてみれば美容師というのは指名もらってナンボ
売上歩合があってナンボの世界だから
自分の利益だけを考えてみれば確かにそれは当然なのかもしれない。
でもそれってあってると思う?
間違っているよね。
そんな事は誰に聞いても明白で、当然のこと。
そんなのがいい訳ない。
しかし上の化粧品売り場の話のように
現実には結構おこりえてしまっているのだ。
この担当のBAさんは本当に、今回はたまたまだったのかもしれない。
でも例え今回がたまたまであろうとなかろうと
来店されたお客様はどんな状況でも一回の来店であることには違いない訳だ。
そんなたまたまの一回限りの接客で
失客する事も覚えとこう。
誰だって同じお金と時間を使うのなら
よりリラックスできて自分に時間を費やしてくれる方を選ぶに決まってる。
また、不安に思っているお客様がいる空間に
他のお客様もその不安に感染しないとも限らない。
担当以外の技術者がしらんぷりっていう、その状況も
外から見て、絶対に気持のいい雰囲気じゃないって事はまちがいないだろう。
自分以外の誰かと働く空間であれば
それは絶対に周りも意識しなければいけない。
今日はそんな当たり前のお話でした。
でもその当たり前が出来てないサロンってけっこう多いよ。
パーマをかけたものの、すぐ落ちちゃう時ってありますよね。
美容師視点から一つ まず5日で落ちるようなパーマは
そもそも失敗です。
いくら直毛でかかりにくいとは言っても、いくら美容師さんが
もっともらしい理由をつけたとしても、それはかけなおしにいくべきです。
ただ、ほんっとにバージン毛でかかりにくい人の場合
良くある事なので、気兼ねせずに相談するのが良いと思います。
んで、一回髪の毛に薬が通ると(この場合は前回のパーマを指す)
髪が薬を受け付けやすくなりますので、次には時間もそんなに
かからないはずです。
ただし、ここで注意してほしいのが、
恐らく、かかりがいまいちだったときの美容師さんの行動ッってのは、
大概、そぎを根元から多めに入れて、
なるべくふんわりみせるようにやりがちです。
これも間違いではないのですが、その状態でかかりが悪かったといって
より強い薬を使われると、今度はかかりすぎる可能性があるので
そこは注意してもらいましょう。
ココからは美容師視点のお話。
人それぞれ髪質はありますが、ストレートで細めの髪を見た時に
なんとなくかかりやすそうに見えて、シス系の薬でかかるだろうと
思って進めたのに、全然かからないって経験は
美容師であれば経験したことある人多いんじゃないかな。
また毛量も多めでしっかりあって、触ったらちょっと
キュッキュッってする感じで、キューティクルを感じられる髪質で
若干畳をイメージさせるようなくせ毛。
これもかかりにくいですよね。
前者の髪質の場合はかかり始めると、めっさかかっちゃうので
さらになかなか落ちないので
かかり過ぎには兎に角注意です。
やや強めの薬剤に大きめロットで対応しましょう。
中和後二剤のタイミングで、思いっきりシマるパターンが多いです。
後者であれば少し強めの薬でやってもらっても良いと思います。
こちらの場合は2剤でいきなりシマったりしないので
薬を強めるのではなくロットを少し細くしてみましょう。
実際に見て触った訳ではない状態での仮定の話ですが
ちょこっとだけ参考になればと思います。
自分が想像しているよりも弱かったりするパターンってのは
けっこうあるはず。
そんな時はセット剤を多くつけてね、とかその場凌ぎの言葉なんか言わずに
自分視点で弱いと感じたら、それは申告し
すぐ落ちるようならかけなおしますと、ちゃんと伝えるべき。
そして、その状態をしっかりとカルテに記入しておき
次回の糧にするんだ!
職人にも誤算はある。
決して
ごまかしのトークとごまかしのアフターカットをしてはならない!
美容室ティアマットの社長であり、
髪職人でもある仲野蓮が
美容業界の事を掘り下げて語ります。
どの商売でも起こりうる問題点に、
真正面から取り組みます。
開業運営メール相談も受けますので
お気軽にどうぞ。
メールはこちら→ren@tiamat.co.jp
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