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美容室開業運営診断士、赤坂の美容室経営者プレイングマネージャでもある仲野 蓮が 偉そうに美容業界の事を語ります。 店舗運営メール相談も受付中:ren@tiamat.co.jp
Posted by - 2024.04.19,Fri
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Posted by 仲野 蓮 - 2013.11.13,Wed
食材偽装問題が後を絶たない。
皆さんが言われている様に、きっと氷山の一角だろう
 
 
私も今ではそれなりのお店へ食事へ行く機会も増えた。
 
他より値段の少しお高めのお店だけど、そこのお店の雰囲気が好きで、
お客様を喜ばせたいって思っている職人が提供してくれるから、常連として足繁く通うワケだ。

そこには当然、お高いお店に行っているという見栄も少なからずあるのを私は認める。
 
そこの人から「厳選された素材だ」って言われれば私は疑わないし
自分も高いお金を払っているっていう自負があるから、騙されているなんて考えもしない。
 

そんなちょっとお高いお店に行った際、
 
『おーコレは日本一のナニナニだ、最高に美味い!』
『これってどこそこ産のナニソレを使ってるだけあるよなー』
 
って、そんなエラソーの分かったような事を喋ってる。
 
でも二流で育った超庶民の私だもん、私は多分【違いの分からない男】だ。
 
おそらく私は本当の味など、分かっちゃいない。
嘘の方便も通じまくっちゃっている、そんなメデタイお客だ


多分私は分かってない。

騙そうと思えばいくらでも騙せるお客だ。
だから裏切らないでほしいんだ。


『騙されちゃうから、騙さないでくれ!』



これがサービス業におけるお客様の声だ!
 
 
上の文章は、201310/30アップの社長ぶろぐにアップしたモノを抜粋しました。
 
 社長ぶろぐ327:【違いの分からない男だから】
    http://tiamatblog.blog35.fc2.com/blog-entry-472.html   
 
 
今問題になっている食材偽装問題
これは何も外食産業に限った話じゃない。
 
今日はそんなお話です。
 
 
***


確かに黙っていれば分からない事もある。
それをヨシとする時だってあると思う。

 
私だって商人、必ずしも正直ばかりじゃ商売にならんことは心得ている。
でもコレはサービス業として、やってはいけない事だと私は心から思う。


私達第三次産業において

「金額以上のサービス」とか「最上級のパフォーマンス」とか謳っても、ハッキリ言って不透明な事って多い。

そしてお客様は分かっていない事も多い。
だからこそ手を抜かないのが、私達の義務なハズだ。

『騙そうと思えば騙せちゃうから、騙さない』と自分達に課す。

それが【安売りしないお店の定価の意義】であると私は断言したい。
 
 
 
これを私達の業種に例えるなら
 

『最高級シャンプー使ってますよー』
 
なんて言いながら、中身はドラッグストアのやっすいシャンプーだったり。
もしくはソレを使ってはいるけど、希釈したりブレンドで嵩を増やしたり。
 

「ウチは技術者はトップスタイリストだけです!」
 
って宣伝していながら、実は人数合わせのペーパードライバー技術者だったり
 
 
もっと言っちゃえば、私を指名して来てくれているお客様に対して、
覆面をした『偽仲野蓮』が担当してる事にする(顔を怪我したとか言って)

もしくはその日出勤していないのに、居るふりをして指示を出しているように見せかける
 
分かりやす過ぎる例で恐縮だけど
 
ティアマットという東京赤坂の都心部で、それなりの美容院のトップスタイリスト【仲野蓮】に期待しているからこそ
毎回安くない金額を払ってもらえているのだと思う。
 
これが【ニセモノ】だったら腹立つでしょ?



もちろん危機回避や企業努力というのもある。
例えば、メニューに謳っている食材がどうしても規定数手に入らなかった。
だから、今ある食材達でどうにかその姿に近づけよう。
 
それは職人本来の姿のハズだ。
 
安い食材しかないけど、これを使って今までにない調理をしよう。
多く手に入る食材だから、さらなるバリエーションを増やそうじゃないか!
 
これぞ一流の職人の業だろう
 
だけど、コスト削減や手間を省くためにそれをやってしまったら、それはお客様をバカにする行為だと知れ!
 

 
↑で覆面仲野蓮の例を出したが、
 
もし私が突然のインフルエンザで、今日休まなければいけない事態があったとする。
 
当然その日のお客様の接客は出来ない。
その事態を知らないお客様は来店されてしまう。
事情を話して、別日に予約を取り直してもらうのも一つの方法
 
そしてこんな方法もある
 
病欠の私は担当出来ないけど、電話などで信頼おけるスタッフと相談し、お客様の希望を私の代わりに代打してもらう。
 
事情を説明されたお客様は、ガッカリするかもしれないし満足度は下がるかもしれないけど
少なくともそれに対して怒り出したりはしないだろう。
 
それはこちらの誠意も汲んでくれるからだ。


『企業努力とニセモノは全く違う』


ニセモノとこちらが認識した時点で、それはお客様を騙す事になるのだと思う。
 
【ニセモノはニセモノでしかない】という事は認識しとかないといけない。
 
 
 ***


次に、これは危機回避にも企業努力にも繋がるモノだと思うけど
 
フレッシュジュースじゃなくても、納得できる味
車エビでなくとも、値段に見合う調理方法
 
冷凍食品って言われると、なんだか手を抜いている様に見えちゃうけど、
冷凍技術だって現代にっぽんの技術は世界有数だ。一昔前の様な体では絶対にない。
 
これらを使いこなし時短に繋げ、スムーズな提供を成功させる。
こういうテクニックも、やっぱり一流の成せる業だろう。
 
 
でもどうだ?

 
もしあなたが調理人で、これらを故意に偽っても全く気が付かれなかったら、
真面目に取り組むのが馬鹿らしくなって来ないか?
 
 
・実際に誤表記を見破れないお客様(まぁ普通は見破れないけど)
・ベストを尽くしていない、自分の調理
 
それを有難がって、高い金額を払うお客様を尊敬できるだろうか?
 
 
 
そして、これは私達の業種も含めどの業種でも言える事だけど
自分の経歴を詐称とまでは言わなくとも、誇張していたりする自称大物がいる(大なり小なり世の中にはこの例は蔓延っているよね。)
 
またこのジャンルではそんなに実力は無いのに、別の業界で有名人だったり世襲だったり、担ぎあげられちゃった職人も少なくない。
 
 
両方とも名前だけが先行してしまって、本当は中身の薄い技術者かもしれないけど
実際には、そういうステータスを求めて来店されるお客様も沢山いる。
 
中にはそのステータスだけで、美味しく頂ける人もいるかもだけど、
そこばかりを気にしているお客様って、なんだかカッコ悪く見えるよね。
 

「あの人全然わかってないなぁ」って思っちゃうでしょ?
 
 
その名前先行の人も、後の努力によって周囲を納得させられる実力が伴っていけば、
きっとそれは【商売における演出】の範囲で済むんだろうけど
 
いつまでもステータスだけの職人って、同業者には必ずバレる
 
 
もしそれを良しとしている状態が長く続いて、
【本当は実力がない職人】が担ぎあげられているのが普通になってくると
 
真面目に修行している人間は馬鹿らしくなり、それを有難がっているお客様も尊敬できなくなる。
 
こうなってくると、その店舗に繁栄はない。
 
 
***

 
ちょっと話が反れちゃうけど以前、

才能も無いクセに、妙なコネや偶然で一気に名前が売れちゃった人なんかは、
元々がハリボテだから、その膨らませた名声に伴う中身を早急に作れないと、必ず地に落ちていく。

これはなにも芸能の世界に限った話じゃ無い。

2代目3代目でどんどん業績を悪くする会社が後を断たないのは
こういう背景もあるのだと思う。
 
って書いた事があるけど、
 
 
これはその【ハリボテな人が優遇される状態】をほっとくと
本当に努力したい人が、馬鹿馬鹿しくなって白けちゃうのが原因の一つだと私は思う

 
「手を抜いてても平気だよ」って勘違いしたら高みには行けない
 
手抜きを繰り返していると、お客様を尊敬できなくなる。
お客様を尊敬できなくなったら、その商売は必ず失敗する。
 
そういう空気は絶対に作っちゃいけない
 
コレは確実に言っておきたい!
 
 
***
 
 
もう一度私達の美容業に話を戻す
 
例えば何故このカラーコースが13000円なのか?
 
はたして自分がお客として、その金額を職人である自分に支払えるか?
もし支払えないなら、それはなぜなのか?
そもそも定価を払えない自分の技術と接客なのに、人に要求するのって本来ならおかしい。
 
例えばトリートメントや頭皮ケアを常に提案してるけど、
アシスタントスタッフにそういう教育がなされなく、実は意識も知識も薄い。
 
これだって、結局お客様を騙している事に繋がっちゃう。
 
これくらいでイイヤ
分からなければ大丈夫
 
ってのでは、結局騙している事と同義であるということを知らなければならない。
 
 
 
ちなみに私の経営するティアマットでは「技術のシェア」というのがある。
 
 例えば、新しい薬剤や技術を導入した時に、
『こんな髪質の方に使うとこんな感じになる』、など
その使用感や特徴をの一覧表を作り、みんなで記入しその情報をシェアする。
 
これは、どうしてもできてしまう【キャリアの差による技術と知識の差】を、 こういう形で共有することによって「 少しでもその差を埋めていく」というモノ
 
【技術や知識、そしてイイ接客】を自分だけのモノにしない。

という趣旨で必ず行うようにしている。
 
 

ある日、この先にシャンプートリートメントのキャンペーンを行う予定だったから、
シリコンシャンプーについての知識のシェアを行った。
 
その翌週、
復習の意味を込めてアシスタントのKに、
 
『シリコンシャンプーってどうなの?』って問いかけたら、
 
「シリコンシャンプー、は わる く ない」ってバイオみたく答え、私を呆れさせた。
 

先週こういった技術知識のシェアを施したつもりだったんだけど、その時そのアシスタントはきっと上の空だったんだろう。

結果的にこのアシスタントの意識の低さを露呈する結果となってしまった。
(もちろんその後トリートメントの特訓を受けさせた)
 
 
私達はまがりなりとも、ヘアスタイルのプロとして代金を頂いている。
完璧な答えは持っていなくとも、そこに近づけようとする意識は持ってなきゃいかん。
 
 
***

 
分からないなら分からない方がイイ。
分からない人は分からなくてもイイ
 
それでもお客さんが喜んでいるならソレデイイジャン。
 
私も商人だから、そういう理論も否定できない。


だけど
 
お客様を騙すという行為は、結果的に自分達の士気を下げる事にも繋がる。
 
また真面目に高みを目指す人の想いを砕くモノでもある。
 
そう認識しなければ、人はまた繰り返す。
 
 

今日はこんなお話でした。
 
 

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仲野 蓮
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職業:
美容室経営
自己紹介:
千代田線赤坂駅徒歩0分の
美容室ティアマットの社長であり、
髪職人でもある仲野蓮が
美容業界の事を掘り下げて語ります。

どの商売でも起こりうる問題点に、
真正面から取り組みます。

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