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美容室開業運営診断士、赤坂の美容室経営者プレイングマネージャでもある仲野 蓮が 偉そうに美容業界の事を語ります。 店舗運営メール相談も受付中:ren@tiamat.co.jp
Posted by - 2024.04.25,Thu
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Posted by 仲野 蓮 - 2012.10.10,Wed
先月の九月、ティアマットは9月の歴代売上と接客人数を共に大幅に更新しました。
 
さらに9月における営業日一日の売上、接客人数も同時に更新することが出来た。
 
急に人員が増えたり減ったりしたわけではない状況下で、記録を塗り替えるというのはやはり嬉しい。
 
経営者として、皆良く頑張ったなーって労を労いたくなる瞬間である。
 
 
私達の業種はよっぽどの事が無ければ、売上は急に伸びたりしない。
 
特に開店後5年以上経過した店舗の伸び率は、徐々にであることが普通だ。
だけど下がる時は一瞬だから気が抜けない。
 
どちらかと言えば、円熟期を迎えると徐々に下降傾向になる店舗が多い現状で
そんな中13年目にしての、月間レコードは嬉しい。
 
 
しかし今回の月間レコード、急に出たのではないと痛感する。
上昇するにも下降するにも理由は存在するのだ。
 
 
今日はそんなお話です。
 

***
 

私達美容に携わる者達は、【美容技術を磨き、さりげない気配りな接客】が出来るようになる為に、ずーっと切磋琢磨していかなきゃいけない。
 
まず今すべきは勉強。技術と接客を学ばなくてはならない。
もちろん一流の技術者を目指すってのは大前提ではある。
 
が、それと同時に
私は美容師という職業のピークというのがとても気になっており、
いつかは美容師と、それ以外の仕事も同時にこなせるようになってもらいたい。
もっと言っちゃえば、美容技術しかない社会人になってほしくない。
 
と、いう想いがある。
 
だからティアマット一家の連中には、それだけに(美容師)ならないように
美容業務以外の仕事も覚えてもらい、それに伴い様々なポジションを与えている。
 
***
 
例えば、ティアマットには今二つの部署が存在していて
一つは【社内の管理】、もう一つは【社員の管理】
 
もっと砕いて言うなら、シフトや日程チラシ制作など動かないもの担当と
技術指導をはじめとした人材(動くもの)担当の2つだ。
 
 
元々これは私一人でやっていた仕事だが
会社が成長するに伴い、一人サポートに入ってもらうようになり、
去年その者が卒業したので、そのポジションを二つに分けて今の形になった。
 
現在は管理する人間が1人ずついて
さらにその二人には、またその下に一人ずつ配置してある。
 
つまり、元々が一人でやっていたポジションを4人でやってもらう形になったのが今の状態なワケだ。
 
 
 
政治の世界では総裁がいて、その下に幹事長がいるように
組織にはトップがいて、その下にナンバー2なり3なりが存在し、各部署が成り立っているのが一般的だ。
 
会社だけでなくあらゆる組織には、それぞれ自分のポジションにおいて
皆各自そこでみあった役割をこなすことになるのだが

出来る人間はそれを色々と兼任する事になる。

 
出来る人間は確かに一つどころか、2つも3つも兼任してこなせる。
さらに自分の下に着く人間にも的確な指導が出来るものだ。
 
しかし残念ながら人の能力は平等ではなく、出来る人間とそうでない人間もいる。
 
人には絶対に能力の差はある。
 
次いで言うと、誰でも【人より優れた部分は持っている】というのも私は信じていない。

 
須らく平均以上でどの分野でも比較的優秀な社員もいれば
【人並み以上の部分を探す方が大変な人材もいる。】これが現実だ。
 
確かにその人の中では得意なジャンルのモノなのかもしれないが
優れた人間は、それすらも軽くこなせてしまったりもするワケだ。
 
 
ところで、私は【やれば出来る】って言葉が好きではない。
もちろん【やればできる道を示す】ことは大事だと思う。
 
でもこれを翳して今やらない事の理由にはならないし
やらないから出来ないんだと思うし、出来ないことのイイワケは意味がない。
だから早く出来るように努力すべきである。
 
 
優秀な人間は文字通り優れていて秀でてる。
そこを目指すべきではあると思う。
 
『ではその優秀な人に色々任せれば良いのか?』と言えばそうではない
 
 
よく商売の中でいわれることだけど
【大口の顧客を優先させすぎるな】というのがある。
 
これはその大口の顧客ばかりに頼っていると、もしそれが無くなってしまった時の損失が大きく補填できなくなる。
 
他にも理由はあると思うけど、これは大いに頷けるところだ。
 
 
これはなにも顧客だけに言えることではない。
どんな組織の人事にも言えることだと私は思う。
 
いくら優秀な人材がいるからといって、その社員になにもかもを任せてはいけない。
 
それと同時に逆に出来ない社員だからと言って、何も任せないのは良くない。
 
これも言えるのだと思う。

 
***

 
上に書いたように、ティアマットでも各自それぞれポジションを持ってもらってますが
ハッキリ言って、私の目から見て【人より優れた出来る人材】ってのは残念ながら少ない。
 
しかし総合的にみると、手前味噌だがティアマットにおける技術接客サービスと教育はなかなかの水準だ。
 
また、チラシやポップ販売促進のアイテムやキャンペーンの運営。
これらを使った戦略を纏めると、私が以前勤めていた大型店よりもよっぽど優秀だと自信を持って言える。
 
 
これは一人に色々任せきってお願いしていないからだとも思うんだ。

 
もちろん一人で何もかもが出来るような人材がいれば言うことはないのかもだが、今現在結果としてユニット体制がうまく機能している。
 
 
例えばチラシを作る際、アイデアはアシスタントのA、デザインはB
そして制作するのは技術者のC。
 
例えば技術マニュアルを作成する際、企画は私で
実際に纏めて作成と実践指導するのは、技術指導担当のDとE
 
これが今のところ上手く噛み合っているだと思うのだ。
 
 
 
よく右腕になるような【ナンバー2】を付けることが大事って聞く
その通りだと私も思う。
 
もちろん出来るナンバー2がいて、優れたナンバー3がいるに越したことないけど
全員がスタープレーヤーじゃない。
 

そこで考えた、
皆で一つのポジションを支えるのだってアリだろう?
 
そのナンバー2だけでなく、各様々なポジションは
なにも一人でこなさなくとも良いんじゃないか?って私は思うのだ。
 
 
出来る人がいるなら任せていいと思うし、もちろんそのポジションを貰ったことによって、活躍する人もいるだろう。
 
ただもう一つの方法として、不安な人材にあえてそのポジションを与えてしまうよりも、
そのポジションを数人で作っても良いんじゃないか?
 
そんな風に考えるのだ。
 
 
 
ちょっと話は反れちゃうけど、
私はどちらかと言えば、トップダウンの考え方を強く持っていたのだが
よくよく思い出してみれば、自分がまだ若かりしの頃はボトムアップ方式こそが正しいと思っていた。
 
これについてはどちらかが正しいという議論はないのだと思う。
 
ただ、そのナンバー2なりナンバー3なりが絶対的だ!!
ってもしその下が感じるような状況はアウトだと私は思う。
 
だってその上のトップは他のメンバー達に、そのナンバー2や3を目指してほしいワケじゃないからね。
 
もっと上を目指してほしいって、トップは当然そう考えているよ。

 
これは確実に伝えておきたい。
 
 
***
 
 
実際にユニット制を導入して、各要職を纏めるようになって
1人で各ポジションを任せていた時より、はるかに多くの量が素早くこなせるようになった。
 
しかし続けてみるとそれはそれで問題点も見えてくる。
 
どうしても関わる人間が多くなってくると、誰の責任において進んでるのかが曖昧になり
小回りが利きづらく軌道修正がしにくくなる事態も出たりして、なかなかうまくいかんなーって思う事も出てきたのだ。
 
そこで私は二人のリーダーについてちょっと考える事にした。
 
 
自分(社長)が出した指令に対して、
 
リーダFは『明日出来ることは今日やらない』タイプ
リーダGは『頼まれたらすぐ係るが、途中で忘れる』そんなタイプ
 
そこで、私は自分とリーダの間に一人【伝達係】を入れてみようかと閃いた。
すると、二人とも私が直接催促するより早く意欲的に仕事をこなすようになったのだ。
 
 
なるほどなーって、その時思ったのだった。
 
 
『適材適所

 
一言で言ってしまえばそうなってしまうけど、一つのポジションは一人のモノではない
ってそう考えると案外うまく機能する。
 
そしてその間には伝達係の様なポジションの人間がいると、連絡や関係がスムーズに行くと思う。
 
 
***
 
 
以前自分がとある社員の事でちょっと落ち込んでいた時に
私の恩師の一人でもある、赤坂の料亭の大女将にその時言われた事がある。


「みんなあんたみたいじゃないんからね。だからあんたがトップなのよ」

この言葉はその時かなり染みた。
 
 
なんでも自分(トップ)の考えている事を汲んで、それ以上に率先してくれるような優秀な人材ばかり求めちゃいけない。
 
その通りだと思う。
 
 
ティアマット一家の連中は、よくまぁこんな経営者の気持ちを汲んでくれるなー、付いてきてくれるなーってくらい気がきくが
 
最初からそうだったワケではないのだ。
 
 
毎年新卒や中途が入ってきますが、あまりにもの出来無さに驚かされる時も多い。
 
今まで中途で入ってきた連中を思い返してみると
どちらかと言えば、いまどきのイマドキの若者で
 
技術も知識もうすーい奴らがほとんど。
『本当に経験者か?』って思っちゃうようなヤツも少なからず居た。
 
そして最近の新卒の社員の【ゆとり】っぷりには毎年驚かされたりもする。
 
 
ただしそれは逆を返すと、【うちの連中が普通に出来ている事が出来ない】からそう感じるのだろう。
 
だからなのか、一年も経過すると立派な【ティアマット顔】してやがるんだ。
 
 
そうやって、私も感心するくらいの気遣いが出来るようになってくるのは
一言で言うと、【ティアマットという環境】なんだろうと思う。
 
皆が普通にやっている事。それがどんなにレベルが高くても
皆が普通に出来ている事は、その会社の常識となる。
 
大事なのは楽な方に流れない事流さない事。
 
それが今のティアマット一家の良さであり武器なんだと私は思う。
 
 
***

 
【一つのポジションを、なにも一人の人間に任せなくてもいい】という前提において
 
もし人が足らずポジションが余ってしまうなら、いっそのことそのポジション自体を無くしてしまったらどうか?
 
無くすことが難しいなら、そのフィールド自体を狭くしてみたら良いのではないか?
何も無理してまで大きなグラウンドで勝負しなくてもイイハズだ
 
人数が足りないなら外野まで作らずに、内野だけでゲームしたってイイハズ。
逆に一人でそのポジションが守れないなら、2人3人で守ったっていいじゃないか!
 
 
『取るのだけは人並みに出来る人』と、『投げるのがかろうじて得意な人』がいればそのポジションは埋まるのだ!

 

これは単純に私が野球好きだから、野球を引用したけど
こういう事だと私は思う。
 
 
これが今私が考える適材適所。
 

 
どうだろうか?



 

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美容室経営
自己紹介:
千代田線赤坂駅徒歩0分の
美容室ティアマットの社長であり、
髪職人でもある仲野蓮が
美容業界の事を掘り下げて語ります。

どの商売でも起こりうる問題点に、
真正面から取り組みます。

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