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美容室開業運営診断士、赤坂の美容室経営者プレイングマネージャでもある仲野 蓮が 偉そうに美容業界の事を語ります。 店舗運営メール相談も受付中:ren@tiamat.co.jp
Posted by - 2024.04.27,Sat
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Posted by 仲野 蓮 - 2011.09.01,Thu
これまでアップしてきたこの【業界を語るコラム】33本のコラムを通して、
今まで何件かメール相談を受けたりしてきました。

この【業界を語るコラム】に賛同の声を多く聞きます。
ありがたい事に、そこそこ評判が良いみたい。
 
 
だけど今までに、これを読めって社員達に言った事はありません。

 
それはここティアマットで働いている人間達は
私の美容観や美容業と言うモノに遠からずの想いを持っていると
思っているからに違いない。
 
実際に今のメンバー達に私の想いは伝わっているとは思う。
 
ですが、これまで一緒にやってきたメンツ全てに
私(創業者)の想いが伝わっているかといえば果たしてどうだろう?
 
伝わっていなかった場合のが多いのではないだろうか??
 

 
(先に立つモノ)からしてみれば、想いが伝わっていると信じたい
しかし、それは独りよがりの可能性が高いのではないだろうか。


多くの創業者が抱えるこの問題。
今日はこれを少しだけ掘り下げてみようかと思います。
 
 
 
先日こんなことがありました。
 

 
今は美容室の就職活動期間。
ティアマットにも何人か面接希望の人間もちらほら。
 
 
そんなある日
サロン見学>>面接希望の人間がティアマットにやってきた
 
最初の受付は私が行ったのだが
なかなか礼儀正しく、丁寧な物腰で私は好印象もった。
 


通常通り、採用担当の人間がその希望者にあたるが
残念ながらその就職希望の人間は『ティアマットのNG』刺青タトゥにあたる人間だった。

本人もそれを気にしているらしく、そこを突っ込まれると弱腰のようだった。
 

 
【なぜティアマットでは入れ墨はアウトなのか?】

 
それを採用担当の人間がうまく説明出来なかった事が
私は非常に残念だった。
 

 
私自身は決して、刺青タトゥが嫌いなわけではない。
どちらかといえば好きな方。
 

でもティアマットではそれはアウトなんです。
 
 

そう、この話はまさに以前コラムで書いた事のある

【服装の乱れは心の乱れ?】の内容と丸被りだった訳だ。
 

       コラム28:【服装の乱れは心の乱れ?】
       http://lenstly.blog.shinobi.jp/Entry/29/

 
 
もし採用担当の人間がこれを読んでいてくれていれば
すんなり説明が出来ただろうと思う。
 
 

ティアマットでは社長の私の面接の前に一次があり
場合によっては二次がある場合もある。


最近、面接時にコラムの話を持ち出してくる方が増えてきた。
 

そんな時に面接官がコラムを理解してない様な事態にになると
それは流石にまずかろうと言う事で、
とうとう先日コラムを読むようにという辞令をだしたのだった。
 

ティアマットの社長がどういう美容観を持っていて
どういう美容業界を望むか。


今まで何度も何度も口頭で伝えてきたし、行動でも示してきたつもり。


今いるメンツは分かってくれている(と思う)
けど、これから入ってくる人間はどうか分からない。
 

だから今回から特に共有してほしい理念は、
文章として一部ずつ携帯するようお願いしたのだった。
 

 
 
人の理念は
 

なかなか細かい描写や枠組みを説明するのは難しいし
さらにそれを全員に理解してもらうのは、口頭や態度だけで伝わるものじゃあない。
 

この背中から学べ!と言っても、
ハッキリ言ってその通り伝わらないのがほとんどだろう。
 
それは技術に対しても、心遣いと言う意味においても。
 


さらに、創業者の理念なんかはもっともっと難しい。
 

 
特に私達の業界では個人の力に頼るところの多い業界。

技術や接客をはじめとして、人材教育や心遣い
どうしても個人の裁量によるところが多く、結果として格差が出てしまう事になる。
 

これが以前から挙げている、業界の悩みの一つだったりもする。
 
 

ここでやはり必要なのは、コラムを読ませるように
形に残すというの事ではないのだろうか?と、今私はそんな風に考える。
 
 

【マニュアル】と一括りに言ってしまうと
それはとてもとても心が遠く感じてしまうけど、
ある程度の指針というのは、あって良いのではないだろうか?
 
 
それは方法を教えるものだけではなく、感覚を伝えるモノ。
 

 
例えばカットのマニュアルも、切り方や似合わせのテクニックだけでなく
えり足や耳周りを切る時に、鋏が直接首にあたると
お客様の中には、それが不安に感じる人がいる。  とか
 

ダッカールでブロッキング(セクショニング)する時に
頭皮に這わせてブロッキングすると、
ダッカールが頭皮に触れる感触に不快感を感じる人いる
 
さらに言うなら、ダッカールは裏っ返し(プラスチックの部分が下)に使った方が
その不快感をさらに軽減できる。などなど
 
 
ウィッグを切る時には普通にやっている事かもしれないけど
お客様はみんな血の通った人間ですからね。
 

「そんな事言われなくても分かっているよ!!」

って多くの人が言うと思うけど、案外気付いてないよ。
 
 

また、切れ味の鈍ったセニングを使い続けていると
毛髪をつぶす事になってしまい、
ショートヘアでもダメージヘアとなる可能性がある。
 

とか
 

カットの仕方ももちろんなんだけど
ウマイ美容師が意識せずにやっている、こんな日常

こういうのが、個人の裁量に任せてしまっているモノなんだと思う。
 
 

そして感覚に訴えかける、シャンプーやマッサージにも
手順を示すマニュアルだけでなく、ここをこうすると安心感がでて良いとか。
 

例えるなら、
タオルドライの際全体的に水滴が取れた後に、耳のまわりと襟足付近を、
最後の最後で少し力を入れてふき取るとお客様は気分がいい
 

あえてワザワザしなくても、キチンと拭けてはいるのはもちろんなんだけど、
それをシャンプーマッサージ施術の上手な人は、普通にやっている訳だ
 

 
こういうささやかなテクニックが書きこまれているマニュアルを私は見た事がない。
 

 
これだけ世の中にたっくさんの美容師がいて
各々こういったさりげないテクニックがあるはずなのに

全然継承されていないのは何故だ?
 

確かにあんまりマニュアルを徹底させ過ぎて
四角い美容師になるのは大問題だけど
↑の例に挙げた数点は、少なくとも全員が当たり前に出来てほしいと私は思う。
 
 

言いだしたらキリがないし
型に嵌め過ぎるのは絶対に良くないと思うが
現在の美容業界の多くの美容師は、それにすら至ってないと思う。
 
 
 
先人美容師達は、少しずつ少しずつ
そういった感覚に訴える部分を気がつき改善し
個人的に伝承していったのだと思う。
 

しかし、30歳で8割がこの業界を去って行ってしまう現状では
先人美容師達の技術や心遣いの域に達することなく
低い水準のままでいてしまう事が多い。      
 
 
 
技術接客だけでも、先人の想いはなかなか伝わらない。
理念を伝えて継承してもらう事なんて、さらに難しい。
 


だからこそ、私はもう少しこの業界を型にはめる必要があるのではないか?

そうすればもう少しだけ先人たちの意識を共有しあえるのでは?

 

と、そんな風に思う時がある。
 
 
 


今日はそんなお話でした。
 
 
 


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美容室経営
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千代田線赤坂駅徒歩0分の
美容室ティアマットの社長であり、
髪職人でもある仲野蓮が
美容業界の事を掘り下げて語ります。

どの商売でも起こりうる問題点に、
真正面から取り組みます。

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