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美容室開業運営診断士、赤坂の美容室経営者プレイングマネージャでもある仲野 蓮が 偉そうに美容業界の事を語ります。 店舗運営メール相談も受付中:ren@tiamat.co.jp
Posted by - 2024.04.27,Sat
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Posted by 仲野 蓮 - 2011.03.04,Fri
少し社長ぶろぐの話を被りますが、これはまた別のお話。
   社長ぶろぐ186【取材協力パート2)
     http://tiamatblog.blog35.fc2.com/blog-entry-254.html
 

少し社長ぶろぐの話を被りますが、これはまた別のお話。
 
 
先日「取材協力と本誌に掲載のお願い」という営業の電話があった。
 
取材と聞くと、どこかでティアマットや私の評判を聞いて
良さそうだから、ちょっと取り上げてみようと企画が発生して
取材に行こうっていう流れになったと、素人の私はそう考える。
 
おそらく、一般的な感覚であると自負。
 
普通そう思うでしょ?そう考えるよね?
 
 
だけど、この話をよくよく詰めていくとどうもそうじゃない。
 
結局のところ、こちらが買った定められたページに
「取材したような記事にして掲載させてあげるよ」

って、こんなような話だった。
 
 
もっと分かりやすく言ってしまえば、
評判で取材に来たような記事をお金を払って書いてもらうって事。
 
こういう金銭契約での取材協力型の誌面掲載って実は世の中に多い。
 
 
その雑誌は娯楽であって、事実の報道が趣旨の、新聞や報道番組ではないし
(その新聞などのソースだって、いつも正しくないし疑わしいものだが)

ある程度の演出や誇張ってあってもおかしくないとは思うさ。
だけど、これってまさに自作自演、壮大なサクラってことよね?
 
 
 
あるノンフィクションのライターが【雑誌で評判の店は何故マズイ】
自身のコラムで書いていましたが、まさにコレがその原因の一つだと私も思う。
 
 
 
一昔前、まだファッション誌にヘアスタイルなど載っていなかった頃
それに目を付けた、のちのカリスマサロン経営者さん達が、雑誌を有効活用して大成功をおさめた。
 
当時駆け出しだった頃の私は、こういう広告の方法にとても感心したものだ。
 
その時代には、純粋な意味での雑誌側からの取材協力
というものも多かったのかもしれない。
 
 
今では、ヘアカタログもほとんどこちら(美容室側)がお金を出してページを買い
集客やリクルートの一環としてヘアスタイルを載せている。
 
それは決して間違っている事ではないけど、そうすることによって、確実にキャッチーなスタイルばかりが並び

最近のヘアカタログは非常にバラエティーが少なく
同じ見開きに、同じよーなスタイルばかりが並ぶ結果となった。
 
 
そしてここ最近では、ほとんどがボブスタイルの応用。
パーマスタイルは、頭のハチよりも下から、ルーズなボディパーマ。

確かにモデルさんの顔が違えば、まったく同じには見えない。
が、ほとんどが長さと色の違いでしかなかったりする。
 
ロングスタイルも、ほとんどがワンレンもしくはローレイヤーベースで
こめかみラインより下から大きなウェーブのスタイル。
 
ハードなパーマスタイルなど皆無に等しい。
 
 
今あまりニーズのないスタイルを作りたくない気持ちも分からないではないし
奇抜なスタイルばかりを載せてしまうと、集客という意味では難しいのもく分かる。

確かにお金を払って載せてもらっている以上は、それなりに可愛いモデルさんを使い、支持率の高いスタイルを載せたい。

そんな気持ちになるのは当然だろう。
 

だけど、カタログって銘打っている以上は、カタログはカタログであって欲しいものだ。
 
その辺メンズのヘアカタログの方は、まだバラエティに富んでいる様に思える。

まぁ流行りのスタイルは似たようなのが並んでるけどね。
 
 
そして、昔はそのヘアスタイルを載せている美容室を探して通う人も多かったので
広告としての効果は絶大だったが(その広告方法自体が珍しかったから)

これが形骸化してしまった現在は、そのヘアスタイルの切り抜きを
自分の通っているサロンに持って行く時代となった。
 

これにより、ヘアカタログに載せるという集客的な意味は現在かなり低い。
低くなってくると、その本はさらに薄くなりつまらなくなる。
 
つまらなくなると売れない、そうなってくると広告料が下がる
下がっても広告が集まらない、するとカット割が大きくなる。
 
似たようなスタイルが大きく並んで、なにも訴えない雑誌となる
 
以下繰り返し。
 
最近のヘアカタログはロクなのが無い、とそんな風に思ってしまうのだった。
 
 
今日はこんなグチでした。
 
 

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Posted by 仲野 蓮 - 2011.01.21,Fri
相手と年齢の話になった時、
 
 
1、「あ、そうなると二歳違いか~ あんまり変わらないね」

と、よくある会話
ある程度な社会人同士だとこういう返しが一番多いと思う。
 

、「ってことは、自分の二歳下だね。やっぱり若いね~」
 
  こう言う人も居ますね。
  (
この場合は、あなたと私は違うのよっ。という拒絶の意)
 


、『上五つ位だと、あんまり歳の差感じないよね』
        
   と、こんな風な発言をする人もいたりする。
(この場合は、五つ位年上の人なら自分は同じくらいの感覚だよね!って意味)  
 
 

ま、確かにそういう場合もあるかもしれない。
 
が、そんなを言う人は上のを言う事が多い。ホントに多い。


本人同士の関係ですからね、
お互いがどう思っているのかは納得しあっていれば良いのだと思いますが、

私はこういう言い方をされると、上の人でも下の人でもなんだか気持ちが悪い。
 
 
当たり前のようにを言う人は、上の人に合わせられるだけの器量は確かにもっているのかもしれない。

ですが、上の人が自分と水準合わせてくれているように
下の人を自分の場所へ引き上げて接することが出来ない(もしくはしない)
または、目線を下げて接することをしない(もしくは出来ない)と言う事
 

つまり【下に対するキャパシティーが狭い性分】って事だ。


そんな狭い器なのを棚に上げて、堂々と「私は上の人との方が合う」って言ってのけるのが、なんだかとても私にはカッコ悪く映るんだ。
 
もしくは年上の人のステータスを、自分と並べる事に優位性を持たせたいのか?
 

そうなのか??


そもそも年上の人にステータスがある。
っていう考え方はなぜ起こるのだろうか?
 

 
と、今日はそんなお話。
 
世襲が大好きな日本人独特の考え方なのだろうか?
(先人が優れている=子息も優れているという考え方、
これだって年上ステータスの一つだと私は思う。)
 

どうなんでしょう?

 
例えば、今の自分と五歳年上の人とを比べた時
実際の処どれくらいの差があるのかは分かりません。
 
つか、他人と自分のどこを比べていいのかだって分からないのが普通ですよね?
 
 
 
俗に言う包容力や落ち着きなどの、感覚的なモノから
収入、社会的立場、の様なもうちょっと具体的なモノ
 
 
そういう意味では、確かに5年前の自分と今日の自分を比較したときに
 
【今の自分の方が優れていなければ話にならぬ。】
 
 
ただ、スポーツなどの競技などの記録においては、
その限りではないのかもだけど、その現役選手の意見や質疑よりも、
教育する立場の監督コーチの言葉の方が、重きに扱われるのは一般的だろう。
 
 
それは経過がもたらす経験というモノには、【計り知れない価値】があるからだ。
 
そしてその考え方は絶対に間違ってない。
 
 
ただ、
『年数をかけるだけが成果ではない!』
とも私は言いたい。
 

時は平等に流れているけど、そこから得る物は個人個人違っていて、365日の濃度は人それぞれ違う。

完成されるものは各自のオリジナルだ。


分野に於いては、3年目の人が10年目の人を軽く凌駕してしまう。

そんな事例だって決して少なくはない。
 
 
何が言いたいかと言うと、やっぱり年齢だけで人間を区切ってしまうと損をするなーってこと
 
長く生きているからって、必ずしもその分野での能力が、他の若手よりも高いって訳じゃないんだよなーってお話。
 
 
その人とその瞬間だけ付き合っていられればイイって、考えるならそれはそれで良いのかもしれないけど、
 
長くお付き合いしていこうって思うのだったら、単純にその時の年齢ってだけで括っちゃうと損しちゃう。

 
 


私もこの業界に入って、いつのまにかベテラン組

今日までほとんどブランクを作らず、ずーっと職人をやってきましたが
みなさん意外と、技術者の年齢を気にされてるなぁってのを感じます。
 
 
開業前修行していた会社で、一応は一人前として認められたのは、たしか22歳の誕生日の頃だったと思います。
 

22歳と言えば、世の中の大学生と歳は変わらない年齢。

技術者になると【センセイ】と呼ばれる会社でしたが、実際は22歳のワカゾーな訳です。
 

ただ、ワカゾーセンセイな私でしたが、一応は世の中にもまれている訳で
それなりに厳しい世界を勝ち抜いてきた訳だから
普通の22歳学生と比べれば、少しは大人っぽかったのかもしれない。
 
また、私のキャラがエラソーに見えたんでしょうね。

年齢をばらすと、ほとんど100%の確率で
 
「え”ぇ!?そんなに若かったの?!」
 
と、言われたものです。

 
もちろんその後の反応は様々でしたが、
やっぱり持たれるイメージよりも若すぎる年齢は、私にとってマイナスな事も多かった。
 

それは【年齢=キャリア=実力】だから安心
 
という図式がお客様の中に根強いからだと思う。
 
 
 
「○○さんっていくつなんですか?」
 
と、そんな質問にお茶を濁すような返答をする技術者も多いと思う。
それは、年齢というものが与える様々な印象
 

特に平均年齢が若い業界ゆえに

【若い=キャリアが浅い=頼りない】

というマイナスイメージを御したいからなんだと思う。
 
 
もちろん逆だってあるんだ。

若い感性で施術をしてもらいたいって思っているお客様は当たり前だけど多い。(古い技術や知識ばかりで良い訳が無い)
 

実際の年齢よりも下に見られる方が良い事だって沢山ある。
 
業界的には老けこんでいる人よりも、若々しく見える人の方が断然人気がある。
 

私だって最近では、「蓮さんって若いですよね!」って言葉が
とってもステキ誉め言葉なのを、心から感じてる。
 
まぁ私の言わんとしている事は分かってもらえていると思いますが・・
 

 

20代の半ばで開業した私も、30代の後半に差しかかって、美容師としてはシニアクラスになりました。
 

開業当時から、いや開業前からお付き合いしてくれているお客さまも
少なからずおります。
 
【仲野蓮という商品】に於いて、

当たり前だけど、今の方が髪を切る技術も薬剤の知識も
さらには似合わせのテクニックだって優れていると思う。
 
商品価値と言う意味では、今の方が遥かに高いと思う。
 
当社比であるから間違いなんてある訳がない。
 
 
1年目の私<5年目<10年目の私】

そんなもん当たり前、そうじゃなきゃ話にならん。
 
 
でもそれは、私という商品に対してだけ当て嵌まる事。
 
 
新人技術者の頃の私をどんな理由であれ、支持してくれた人達がいました。
 
そのありがたい方々は、経過も結果もなんも出せてない若輩者髪職人の当時の私から、色んなマイナスを差っ引いて、さらに私を評価してくれていた人達なんだと思う。
 
 
だからこそ、そういう人達を大切にして行きたいし
可能な限り担当をし続けさせてもらいたいと思います。
 
 
 
あなた(お客様)にとって、15年目のシニアスタイリストより
1年目のジュニアスタイリストの方が、よりマッチする髪形を全力で考えて作ってくれるかもしれない。

また、あなたも気兼ねなく色々相談できるかもしれない。
 
 
 
 
全ての人に時間は平等に流れるけど、その濃度は違う。
 
 
年数とか、キャリアとか立場(肩書)とかで判断せず
きっちり自分の事を本気で考えてくれる技術者を選んであげてほしいと思います。
 
 
そして私達ベテラン髪職人組も、年齢キャリア肩書とかに頼ったりせず、常に懸命な気持ちを忘れたりしちゃいけない。
 

積み重ねた経過は全て、上乗せできる経験としてそれを披露出来るようにしていかければいけないのだ!
 
 
 
 

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Posted by 仲野 蓮 - 2010.10.22,Fri
「アシスタントの仕事ってなんでしょうか?」
 
 
仮にこんな質問があったとする。
 
・掃除や開店準備、閉店片付け
・パーマやカラーの準備
・買い物や両替など、お店の外へ出てのおつかい
・チラシ配りやポスティングなどの集客作業
 
そしてシャンプーやカラーリングなどの技術者のサポート。
 

 
アシスタントとは
お客様から直接技術料金を頂く事の出来ない修行中見習いの身
 
一般的に考えられているアシスタントの仕事のイメージってきっとこうだと思う。
 

 
でも上にあげた仕事はアシスタントだけの仕事では決してない。
 
技術者も、もちろん店長も社長もやるべき仕事である。
 
 
だって上の仕事が出来たうえで、さらにそれ以上の仕事ができるから
アシスタントよりも多くのお給料をもらい、アシスタントよりも良い待遇で処されるわけだ。
 
こんなの当たり前のことのハズ(私はそう思う)
 
 
『シャンプーは下のアシスタントの仕事だろ?』
『電話はアシスタントが出ろ!』
『お昼の買い出しは、休憩時間に全員分買ってこい』

 
などなど、当然のように口にする技術者がたまにいる。
私が修行した会社にもいた。

だけどそれは絶対に間違っていると思う。
 


確かに接客をしている技術者が、手の空いているアシスタントに色々モノを頼むのは正しい。
 
アシスタントの教育の為に、シャンプーやカラーリング
つまりカット以外のサポートをやらせるのは正しい。
 
面倒に感じがちな作業を沢山やらせるのだって間違いじゃない
全ては経験になるから。

 
 
が、それを押しつけて自分はサボっているようではイカン。
 
でもそういう先輩はきっとどこにでもいる。
 
 
『○○さんはやりたくない仕事を、下に押し付けてサボってる。』
こんな風に思われてしまったら、教育も何もあったもんじゃない
 
                
こんな事を言う下の人間は、なってないとも思うが
こう思われてしまう○○さんにも
まったく非が無い訳ではないと思う。
 
上に立つ人間は、
サボっているように見える仕事をしてはイカンのだ。
 
 
教育と流れ作業は違う。そしてアシスタントは小間使いじゃない
これは絶対に意識しなければいけない。
 
 
 
私もそれなりの社員がいる美容室のオーナースタイリストとして、手の空いているアシスタントがいる状態で、アシスタントも出来る仕事を、全部一人でやってはいけない場面がある。

 
たまに私が自分でお客様のシャンプーに入る事があると

お客様から『蓮さんもシャンプーするんですね』
 
って言われたりする

 
その時必ず言うのが
 
「自分で全部やるのが面倒だったり嫌いだったりしたら、わざわざ開業して小さな店なんか出店しませんって、全部出来るから一人前なんですよ。」

 
私はたまたま、店舗を拡張出来て人も増やす事が出来たから、自分のサポートをしてくれる人間が増えただけ。

元々は開店準備から接客施術、そしてレジ締めまでが1日の仕事

それが一人前の技術者の仕事だと思ってる。

 
 
基本的にお客様は、ほっとかれるのを好む人などいないし
出来るだけ自分に時間をかけてほしいと思っている。
 
 
ただ、大型有名サロンなどでは、技術者にカリスマ性を持たせる事で
お客様に信頼を得させようとする経営方針もあるので、一概に括る事は出来ないが、
 
本来なら技術者が出来る限りそばにいてあげる方が喜ばれる。
 
 
これは美容業という商売の基本だと思う。
 
 
 
では技術者(スタイリスト)の仕事ってなんだろう?
 
 
お客様とカウセリングをして、希望されるスタイルを作り料金を頂く。
 
リピーターとなる顧客をつけ、売上に貢献する。そして未来の戦力となるアシスタントの教育。
 
 
この2つは技術者として最低限の仕事だと私は思う。
 
そしてその教育の部分の意識に欠ける技術者は、技術者としての仕事の一部がこなせてないことになる。
 

アシスタントの見本になるような、技術接客集客がこなせないてないなら、それは一人前の技術者とは言えないと私は思う。
 
 
アシスタントの居ない技術者オンリーの店舗だとしても、
技術者だって二人以上居れば、お互いに技術や接客術のすり合わせがある訳で

後輩を育てる事が嫌な技術者は、自分一人が接客する店舗で働くべきだろう
 

それだって十分意義のある事だし、
日本における美容室のほとんどがそうだ。
 
 
 
このコラムで何度も言ってますが、美容師はアーティストではない
ヘアスタイルというものを商品にしている髪職人ですからね。
自己満足だけではいけない。
 
そして職人も自分一代で終わらせようと考えているなら兎も角、
次世代の戦力もきちんと育てないといけない。

自分一人ではどうしたって限界が訪れる。
 

世代交代がうまくいかないところに、未来はない。
 

 
ではアシスタントの仕事ってなんだ?
 
その店舗の環境を快適な状態に整える事
 
 
この一言に尽きると思うんだが、どうだろう?

もちろんこれが示す意味は、とてもとても広い。
 
 
私が今まで見てきた美容室で、混雑する店内をコントロールしているのはお客様にかかっている技術者じゃない。
 
はっきり言って忙しい技術者は、他の技術者の施術進行状況など把握できぬ。

 
美容業務に携わらずに、スタッフをコントロールする、タイムキーパーのようなポジションを置いている店舗は少ない。
 

そうなってくると技術者全員の予約状況や、次に空く席の準備全ての状態が見れているのは、

店舗の全体が見れているチーフアシスタント、もしくはシニアアシスタントチームである事が多い。
 
 
 
快適な店内は間違いなくアシスタントが作る。
 
店舗に流れる時間はアシスタントがコントロールする。
 

技術者が店舗の看板であるなら
アシスタントは店舗の顔であり色である

 
 
アシスタントの存在が店舗のイメージを作る。
 
 
私はこう考えるんだがどうだろう?
 
 
 
 

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Posted by 仲野 蓮 - 2010.07.01,Thu
私:

『そんなに数字を高く設定した事業計画で
本当に平気ですか?
そこまで沢山のお客様来ますかね?』




「大丈夫だよ。だって一人アシスタントがいれば10人はできるでしょ。」


「お前だって2人アシスタントがつけば、20人くらいはこなせるだろ?」
 

「一日20人できる技術者が4人いれば、余裕で目標クリアできるよ。」
 

 
こう言って開業した知り合いの店舗は、わずか3カ月で潰れました。
 


何がいけなかったのか?
 

近くで見させて頂けていたので、こうなる理由は山ほど目につきましたし、危険な種も沢山見受けられましたが、

一番の理由は、不透明な部分や危ない計算などが山積みだったのにもかかわらず
それをゴリ押しして、無理矢理開店させてしまった事だと私は断言する。
 
 
そして、そもそも最初の間違いは冒頭の会話に凝縮されている。
 
 
「アシスタントいるから10人は回せるでしょ?」
「アシスタント2人いれば20人いけるでしょ?」
 

この感覚は決して間違いではない。
私程度の技術者であってもそれは可能である。
 
 
でも、冒頭の経営者はアシスタントがいればこなせるでしょ?
と、言ってその人数をベースに事業計画を作って失敗した。
 
 
これはちょっと極端な例だったかもしれないけど、実際にあったお話。
 

事業計画を詰める際、

「アシスタントがいれば何人こなせるでしょ?」
という考え方を最初に起こすようであれば、少し危険である。
 
 
そう、この経営者は大事なことを考えていなかった。
 

その20人というお客様を、どこから連れてくるつもりなのか?】
 
アシスタントを1人増やせば、こなせる人数は確かに増えるけど、
アシスタントがお客様を連れてくるわけではないって事。
 
さらに人数こなせる環境を大きくすれば、それだけランニングコストが嵩むという事。(ついでに言うと、そのアシスタントも募集かけなければ来ない。)
 

 
『アシスタントというのは基本的にはいるだけでは売上はあがらない。』 

まぁそりゃそうだわな。
 
 
もしかしたら、そのアシスタントの家族やお友達などの来店があるかもしれない。

だけど、毎月必ず10人来てくれるって人気者はまずみたことない。
 
 
そして私の経験した限りでお話させていただくなら
身内のお客様であればあるほど、正規の金額を頂く事は珍しく
 
マイナスにならない程度の割引をしがちで、一般のお客様よりは収益が低い。
さらにお祝い感覚で来てくれる人の方が多いので、継続しにくい。
 
 
『新しくアシスタントを入れただけでは、お客様は劇的に増えたりはしない。絶対にしない。』



アシスタントが入った事によって、回転率は当然あがるけれど
その人数を新たに集客しなければならない。と、いう事。


理論上は上がる数字でも、アシスタントをいれたから
新しい技術者を入れたからといって、
無条件には売上はあがる訳ではないという事。
 

売上もたいして上がっていないのに、先に人員を増やすようなサロンは
よっぽど後ろに大きなものがなければ必ず潰れてしまう。


もっともお客様をいつも断ってしまって、顧客も新規もが余っている状況なら、なーんの問題はないけど、
常にそんな絶好調な店は、まぁなかなかお目にかかる事はできない。



人員を増やして、売り上げが上がらないからやっぱり辞めてください

そんな覚悟で人を雇う訳にはいかない。
 

売上キャパを上げる事というのは、当然していかなければイケナイ事だ
ただ営業努力を伴ってから、人員を増やさないと大変なことになる。
 
 
今日はそんなお話でした。



 

拍手[6回]

Posted by 仲野 蓮 - 2009.09.23,Wed
私は有限会社ティアマットの経営者です。
 
いまさら言うまでもなく、ティアマットという中規模美容室の親方スタイリストです。
 
修行したのはそれなりに名前の通った老舗の大型店で
そこを辞め独立開業をしてから無事に、10周年を迎える事ができました。
 
 
修行した美容室は社員の数も多い、業界では老舗の大型店。

老舗ならではの接客や技術指導。
さらには新しい器具や薬剤の情報を入手しやすい。
などなど、メリットなども多くありましたが
形骸化されている練習内要やサービス、それをひっくるめた社員教育。

なんでこんなに効率の悪い事をやるんだろう?やらせるんだろう?
と、生意気なことを考えたのを覚えています。
 
また入社当初はこの会社を変えてやる!!
って意気込んでたりしました(笑。)出来なかったけどね!
 
 
裏通り13坪と言う小さな小さな美容室を開業してから
表通り駅前、それなりの規模のお店まで成長させてくるなか、
色んな意味で参考にしていたのは、初めて就職した老舗の大型店でした。
 
良い面も反面も両方に措いて、今でも影響はとても大きい。
 
 
 
たまたま私が開業したエリアでは大手チェーン店などの
競合は参入されてないエリアだったのは幸いだったけど、
 
少人数だから大型店の時のように人数はこなせない。
出来る人数に限界があるから、安売りなんかもそこまで出来ない。
 
もちろん、せっかく自分看板に足を運んでいただけるのだから、最大限のサービスは当然やらせてもらいます。

だけど、

どうしても個人の力では、できるサービスに限界もあり
どうしても見劣りする部分があるのも、正直な所だった。
 

そこで考えた、
 
大型サロンとは勝負する場所が違う。
 
『小規模サロンの良さってなんだ?』

 
小規模サロンが出来る大体の事は大型サロンも当然こなせる。
小規模サロンを求めるお客様は何を期待してるのだろうか?
 

それはなんだろう?
 
 
私は【自分だけにかけてもらえる気持ち】の重さと量だと考えた。
 
 
こんな事を口に出して比べたりするのは反発も多いと思うけど
反論も承知であえて言いたい。
 

小規模サロンの美容師は、大規模サロンの美容師よりも
より深くお客様の事を掘り下げて考えている事が多い。
そして一人一人を大事にしている美容師が多い。
(もちろん必ずって言う訳じゃない)
 
 
でもそれが本当であれば、お客様はみんな小規模サロンに行った方が得じゃん。
 
うん。
そうかもしんない。
 
 
でも、実際には小規模サロンは次々淘汰されて
残るのは大型店だったりするよね?
 
 
じゃあなんで大型サロンには人が集まるの?
 

大資本だから?
 
 
そうじゃない。 
 
 
【大型店の魅力ってなに?】
 

一言で括るのは難しいけど、それは『安心』なんだと思う。
 
立地と間口の広さの問題もあるけれども、
『安心』そうに見えるから、大型サロンへ足を運ぶお客様が多いのだと思う。
 
 
大型サロンは確かに一人一人のお客様に対して、慎重じゃない美容師が多いかもしれない
 
でもそれは、単純に末端の社員にその思いが伝わらないだけ。
 
 
じゃあ、なんで伝わらないの?
 
 
それは自分(美容師)の作業を全体の一部としか考えてないから。
自分一人が頑張っても、流れ自体は変わらないと思われてるから。
そして何より、上の人間の意思と自分は関係ないと思っているから。
 
 
『小規模サロンの魅力って、そうならない事じゃない?』

少なくとも私は、そういう部分を反面に小規模サロンを造ったよ。
 
 
同じような事考えてちゃ、勝ち残れないよね。
それこそ資本が違うんだからさ。
 
 

私達美容師の商品と言うのは技術者そのもので
技術者が作るスタイルが商品であり看板なワケだ。

技術は持っていて当たり前。
その上での魅力、そしてそれを行う場所。
 
小規模サロンは、その個人の看板力がテーマになってくる。
 
 
スタートはそれを意識していても、毎日が過ぎるうちにどんどんその気持ちが薄くなってしまいがちで
また下が増えてくると、その意志も伝わりにくくなってきちゃう。
 
規模はまだ全然小さいのに
【大型サロンの良くないマインド】が芽生えてしまう事を私はとても恐れます。
 
 
 
『お客様は流れていくもの。』これは事実です。
 
小規模サロンから小規模サロンへ。ってのは同じフィールドだから
単純にそちらの担当さんの方がウマが合った。
って事でこれはしょうがない。
 
でも効率優先の大型店に行かれてしまうって事は
例えば駅前で便が良いとか、価格的に安いサービスがあるなど含めて
自分達の人間力よりシステマティックな便利力を評価されたって事
 
 
もちろんお客様、個人個人好みがあるのも当然です。
 
さらに大型サロンのサービスに、見習う所が沢山あるのは事実。
大型サロンのシステムにかなわない部分があるのも事実。
 
 
 
この文章を書くにあたって
開業してから、ずーっと長く通って頂いている方に聞いてみた。
 
 
「どうして、ずっとティアマットに通ってくれてるの?」
 
 
「だって蓮さんがそこに居るから」

思わぬ返答に思わず泣いた。
 

自分ブランドのサロンに、わざわざ通って来てもらう事の難しさと有り難さ
そして何より、自分がいるから通ってくれていると言う、とてもありがたい事実。
 
 
この事は開業からどれほど時間が経っても忘れてはいけない。

絶対に慣れちゃならんのだ!
 
 
そういう気持ちにそれ以上の想いをこめて言いましょう。
 
 
 
「ありがとうございました。またお待ちしております」
 
 
 

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HN:
仲野 蓮
性別:
非公開
職業:
美容室経営
自己紹介:
千代田線赤坂駅徒歩0分の
美容室ティアマットの社長であり、
髪職人でもある仲野蓮が
美容業界の事を掘り下げて語ります。

どの商売でも起こりうる問題点に、
真正面から取り組みます。

開業運営メール相談も受けますので
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